ここ最近、山中ではなく民家付近で人が野生のクマに襲われて死傷する被害が多く
報道されている。そして、こうした被害があった地域住民から「早く熊を駆除して」
との要望が多数あがっている。
確かに私自身の生活圏域で同様の被害が発生したなら、私も「早く熊を駆除して」
と要望することだろう。そうでもしないと、私や身近な人たちはいつ襲われるか
わからない恐怖の中で生活しなければならなくなるからである。
一方で、「人間のエゴで動物を駆除することなど許されない」と主張する人もいる。
これまでにも人間は、豊かな生活や幸福を追求するあまり、多くの動植物を絶滅に
追いやってきた。「人間の横暴は人間が止めるしかない」との思いからこうした主張
をする人もいることだろう。
私たち人間は、動植物の命を頂戴して生命の維持や子孫を繫栄させている。
そのため、私たちは食事の際に「(お命を)いただきます」というわけだが、動植物
を殺しているという事実に変わりはない。
また、人間の豊かな生活や幸福への欲求は底なしだ。こうした欲求を叶えるために
科学の進歩とともに文明が発展してきた。そして、現代に生きる我々は、こうした
発展に多大な恩恵を受けている。
いまさら原始的な生活に戻ることなど到底不可能であろう。
私たちは、動植物と共存することと欲望を追求することの間で右往左往している。
争いごとや戦争が無くならないことも含めて、人間は残念で愚かな生き物という
ことなのかもしれない。
そして、この愚かな生き物が欲望を追求した果てには何が残っているのだろうか。
