前回、
私は『ケアマネジメント業務を専任する職種は、20年後には存在しなくなる』と
予想していると申し上げ、そう思う理由を一つ上げた。
もう一つは、AIの進歩と普及に関係する。
100年前、「ロボットが人の仕事を奪う」と言われていた。そのため、肉体労働
系の仕事(ブルーカラー)よりも頭脳労働系の仕事(ホワイトカラー)を目指す人
が増えた。
実際にロボットが導入されることで、これまでは困難だった危険な作業や精密な
作業そして大量生産が可能となり、多くのブルーカラーが職を失い、ブルーカラー
よりもホワイトカラーの方が平均賃金が圧倒的に高くなった。
ところが、どれだけロボット技術が発展しても、人間にしかできない機微な動きを
全て網羅するロボットは実用化されていない。つまり、人間にしかできない仕事が
あるということである。
一方で、困難と言われてきた頭脳労働にかかるAI技術は革新的に発展してきており
実用化もされ始めている。
つまり、「ロボットが人の仕事を奪う」対象はブルーカラーではなくホワイトカラー
になるということである。
今はまだ一部の分野に限られているが、欧米ではホワイトカラーよりブルーカラー
の賃金が圧倒的に高くなってきているそうだ。近い将来多くの分野で、それに日本
でもこうした逆転現象が起きると予想される。
そして、ホワイトカラーに属するケアマネジメント業務を専任するケアマネジャー
も同様の扱いとなることだろうと思う。
ただでさえ、ケアマネジャーの受験資格要件は医療や介護の現場経験を前提として
いて、資格を所得した時点で医療や介護にかかる経験や知識を持っているのだから
専任の資格というよりは、付属的な資格という扱いになっても何もおかしくない。
さらに言えば、資格を所得した時点でケアマネジメント業務に必要な対人援助技術
や組織管理、課題分析にかかる知識を持っている人は皆無と言っていいし、経験値
をあげてもこの手の知識や技術を習得できていない人が圧倒的に多いので、組織内
で資格を持つ人と役割を担う人が必ずしも合致していない。
そういった背景から「ケアマネジメント業務を専任する職種は、存在しなくなる」
と予想される。
ではなぜ20年後なのかというと、その頃には生産年齢人口が減少し続けた中で
高齢者人口がピークを迎える。こんな時に悠長に”専任”などと言っていられない。
当然、”兼務”という流れができている頃だろうと思う。
