前回、会議等の日程調整の話題から
「○○日の午前と午後どっちがいいですか」と聞くといった”閉じた質問”の思考を
ケアマネジメント業務におけるアセスメントに転用してしまっているケアマネジャ
ーを含めた介護サービス従事者に多く見られることがとても気になっていると申し
上げた。
それはどういうことなのかと言うと
対象となるご利用者が「一人で入浴することができるのか、できないのか」という
2択で状況を判断してしまう人が案外多いということである。
会議の日程調整に話を戻すと、「午前と午後どっちがいいですか」と聞かれた場合、
午前中のほんの10分程度都合の悪い時間があるだけ、「午前中は都合が悪いので
午後の日程でお願いします」ということになってしまう。
さらに入浴できるか否かの話題に戻すと、数多くある入浴にかかる手続きや行為の
中でたった一つでもできないことがあれば、「このご利用者は一人で入浴することが
できない」という判断に陥ることになる。
極端なことを言えば、握力が低下して蛇口をひねる行為だけができない人を指して
「この人は一人で入浴することができない」と判断してしまうということになる。
出来ない行為だけを抽出した適切なアセスメントができていれば、「握力が弱くても
ひねることができる蛇口に変える」とか「蛇口をひねる行為だけ手伝ってもらう」
といった支援内容ができるはずだ。
加えて言えば、自宅の固い蛇口をひねる握力はないが、体を洗うために必要な握力
はあるというより細かなアセスメントを行うこともできる。
一度、一人で入浴できないと判断されてしまうと、本来は一人でできている行為
さえも本人から奪ってしまう、不適切な支援内容が出来上がる。
ひょっとすると「そんなことはないだろう」という人がいるかもしれない。そう
いう人には、機会があれば是非とも通所サービス等の入浴介助場面を確認してもら
いたい。
自宅では自分でできている行為も介助を行っている事業者が意外に多い。
不適切なアセスメントに導き出された支援内容を疑問を持たずにサービス提供して
いる事業者もどうかとは思うが、なぜそう言った不適切とも思える支援を行うのか
事業者に聞くと、「ご利用者が希望しているから」とか「その方が短時間で支援が
完結するから」あるいは「ご利用者に任せて、万一にでも転倒してしまえば施設の
責任になるから」といった答えが返ってくることがある。
ここまでくると不適切である自覚を持ちながらサービス提供している確信犯だ。
”閉じた質問”を都合よく利用しようとするとこういったことが生まれやすい。
