昨日の記事の続き・・
在宅医療とは、医師や看護師などの医療関係者が患者の生活の場へ出向き医療を行
うことをいい、医師が提供する医療としては、大別すると「訪問診療」と「往診」
があります。
訪問診療とは、医師が計画に基づいて診療を行うことをいい、往診とは患者の求め
に応じて診療に出向くことを言います。
一般外来に例えると、持病の高血圧症を診てもらい、薬をもらう定期通院が訪問診
療で、風邪をひいて高熱が出たので病院へ行くことが往診ということになります。
昨今、在宅医療や地域包括ケアなどが声高らかに叫ばれ続けていることもあって、
在宅医療を掲げる医療機関が増えてきております。
しかし、在宅医療を掲げているクリニックであっても、外来診療の合間に訪問診療
を行っていて、往診については、救急受入れ機能を持つ医療機関へ対応を依頼して
いることが多いのではないでしょうか。
先ほどの一般外来の例えで、患者目線で考えたときに、高血圧症はいつものかかり
つけの医師に診てもらい、風邪をひいたら別の医師に診てもらうことが安心につな
がるのかどうかということです。
これが、在宅医療(特に自宅)を選択した患者であればなおのこと、いつもの状態
を診てくれる医師と急変した時に診てくれる医師が違うことに大きな不安を持つの
ではないでしょうか。
外来診療の合間であっても訪問診療を実施してくださる医師には日頃より感謝申し
上げておりますが、往診を伴わないものであれば、患者からするとそれは本質的な
在宅医療ではないのではないでしょうか。
誤解がないように申し添えますが、例えば骨折や脳出血の治療、精密検査といった
専門の医療機関で対応してもらわなければならない状態であれば、当然いつもの医
師ではない所で医療を受けることになるでしょう。
また、皮膚科や眼科、歯科といった専門外科は、外来診療と訪問診療の併用が一般
的でしょう。
つまりは・・
ここでいう在宅医療が地域になければ、その地域で「自宅」という選択肢を持つこ
とが難しくなるのではないかと思われます。