前回の続き・・
国が定義する小規模多機能型居宅介護の「通いを中心に・・」という文言
が同事業の理解を歪めていると思っている。
通い=通所サービスを中心にして組み立てを行うということである。
そのため、小規模多機能サービスを検討する上で、通所サービス利用のニーズが
ない方やニーズはあってもサービス利用に結びつくまでに時間がかかる方を除外
して考えてしまう傾向がある。
ヘルパー(訪問介護)のニーズがあるからこそ、小規模多機能型居宅介護の能力が
如何なく発揮されるのであって、通所サービスの延長線上にある事業ではない。
つまり、「訪問を中心に・・」と定義したほうが正しいと思っている。
「訪問を中心に考えるのであれば、『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』の方が
適当ではないか!」という突っ込みが入りそうである。
一見、一理ありそうだが現実的ではなく、合理的でもない。
江別市内には、小規模多機能型居宅介護は5事業所あり、これからも増えていく
ことが予想されるが、定期巡回・・は1事業所しかなく、これから増えていく
可能性は低い。どちらが柔軟かつ随時対応できるかは一目瞭然である。
そして、この状況は江別市に限ったことではなく、大なり小なり他の市町村も同様
の状況にある。
また、自宅内で行う支援と外出にかかる支援では、労力を含めて難易度が高いのは
外出に係る支援だろう。
つまり、ヘルパー(訪問介護)のニーズしかない方であっても、近い将来に通所
サービスのニーズが出てくる可能性が高いということである。
定期巡回・・は、ヘルパー(訪問介護)と訪問看護の機能しか持ち合わせていない
ので、通所サービスのニーズが出た段階で、改めてサービス利用の調整や変更を
行わなければならない。
その点、当初から小規模多機能型居宅介護を利用していれば、改めてのサービス
利用の調整や変更の必要がなくなる。
認知症状を抱えている方にとって、コロコロとサービスが変わることは、合理的
とは言えない。