外出自粛が続いているため、自宅でテレビやユーチューブを見て過ごす時間が異様
に増えている。
特に最近気に入っているのは、お笑い芸人コンビの『ぺこぱ』である。
このコンビの芸風である『否定しないツッコミ』が世間に受けている。
お笑いのコンビ芸には、『ボケとツッコミ』が定番である。
ボケが非常識的な言動を取り、ツッコミがその言動を言葉巧みに正すというもので
あるが、このコンビの非常識的な言動を正さない=否定しないツッコミの何が面白
いのだろうかと考えてみた。
多くの人は『ツッコミ』が得意であろうと思う。
人の欠点や間違いは目につきやすく、「正したい」という考えになりやすいが
人の長所や良いところは目に入りにくく、「認めよう」という考えにはなりにくい
のではないだろうか。
多くの人が苦手であったり、非日常的な『間違いを認めつつも否定しない』という
光景が新鮮かつ斬新に見えるので、このコンビの芸風が多くの人に受けているの
ではないかと思う。
介護の現場でもよく見る光景である。
例えば、脳梗塞後遺症で左半身が麻痺している人に対して、麻痺した部分を少し
でも動かすためにゴールのないマラソンのように毎日リハビリ漬けにしてみたり、
半身麻痺ということは体が不自由なのだからといって必要以上に支援を行って
みたりする。
『欠点=麻痺した体の一部分』ばかりが見につくのである。
『長所=右半身は動かせる。目、耳、口、認知機能は問題ない。』がしっかりと
目に入っていれば、支援の方法や内容は大きく変わってくる。
介護の現場においては、『否定しないは非日常』であってはならない。
そういった目で『ぺこぱ』を見るとより一層興味深く感じられる。