北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

平均値のマジック

2020.4.23

新型コロナウイルス感染症の報道で、

「ウイルスに感染してから発症するまでの期間(いわゆる潜伏期間)は平均すると

5日間です。」などをよく耳にする。

この『5日間』が一人歩きしてしまうと、非常に危険な状況になる。

 

「5日間、様子を見て問題がなければよい。」という判断が一般化してしまうこと

になるが、この潜伏期間は「最長で12日間ある」との報告もある。

また、潜伏期間が1日しかなく、翌日には発症している人の数も多くいることが、

『平均値』を引き下げている要因となっており、5日間以上の方が同等の人数分

いることにもなる。

 

さらに、給付金等の関連で、『平均年収』が語られることがある。

しかし、この平均年収も非常に危険な数字である。

年収が1億円の人と100万円の人の平均年収は5050万円となる。

年収100万円の人にとっては、5050万円を基準にして考えられたらたまった

ものではない。

 

この数字を非現実的と思う方がいるかもしれないが、実際に日本の平均年収を

大きく引き上げているのは、数%しかいない、ごく少数の億万長者たちである。

残りの大部分の人たちは、平均年収を下回っている。

それほど年収の格差が広がってきているということである。

 

数字そのものはうそをつかないが、その数字を恣意的に使う人によって、現実を

大きくゆがめられてしまう危険性がある。

 

『格差が広い時に使う平均値』に騙されてはいけない。