新型コロナウイルス感染症の報道で、
「ウイルスに感染してから発症するまでの期間(いわゆる潜伏期間)は平均すると
5日間です。」などをよく耳にする。
この『5日間』が一人歩きしてしまうと、非常に危険な状況になる。
「5日間、様子を見て問題がなければよい。」という判断が一般化してしまうこと
になるが、この潜伏期間は「最長で12日間ある」との報告もある。
また、潜伏期間が1日しかなく、翌日には発症している人の数も多くいることが、
『平均値』を引き下げている要因となっており、5日間以上の方が同等の人数分
いることにもなる。
さらに、給付金等の関連で、『平均年収』が語られることがある。
しかし、この平均年収も非常に危険な数字である。
年収が1億円の人と100万円の人の平均年収は5050万円となる。
年収100万円の人にとっては、5050万円を基準にして考えられたらたまった
ものではない。
この数字を非現実的と思う方がいるかもしれないが、実際に日本の平均年収を
大きく引き上げているのは、数%しかいない、ごく少数の億万長者たちである。
残りの大部分の人たちは、平均年収を下回っている。
それほど年収の格差が広がってきているということである。
数字そのものはうそをつかないが、その数字を恣意的に使う人によって、現実を
大きくゆがめられてしまう危険性がある。
『格差が広い時に使う平均値』に騙されてはいけない。