多くの著名人が参加したことで広がりを見せた『#検察庁法改正案反対』は、
当事者である黒川検事長の辞任で幕引きの様相を呈している。
「政権の暴走を止める」ことが主旨であったこの反対運動であるが、本当に止め
なければならない対象は政権なのだろうか。
人間は、私利私欲に満ち溢れた動物であり、そうした欲求を満たすためには、うそ
をつき、他者を傷つけることをいとわない。
政治家に限らず、多くの人間が大なり小なり覚えがあると思う。
権力が巨大であればその暴走は、多くの国民に大きな被害を与える危険性が高く
なるため、抑止力が必要となる。
国民が持つ、政治家に対する抑止力は選挙であろう。
同検事長が辞任に追い込まれた原因の一つとされる賭けマージャンの相手である
マスコミや検事長を含めた国家公務員も巨大な権力を持つ者たちである。
これらの者たちによって、人権を侵害され、生活を脅かされ、それが原因で命を
絶った国民が数多くいるが、これらの者たちの暴走を抑止する力を国民は持ち得て
いない。
SNSによる誹謗中傷が原因(と言われている)で自ら命を絶った女子プロレスラー
が話題となり、「誹謗中傷に対する厳罰化が必要」と真顔で訴えるマスコミに対し
ては、失笑を通り越して怒りすら覚える。
マスコミの人間たちは、自らが誹謗中傷を生業としている自覚がまるでない。
彼らにこそ、抑止力が必要である。