先日、関東圏の大学病院で、「コロナ禍で激務を強いられ、ボーナス支給も見送
られた看護師が大量に退職する。」との報道があった。
私の周りにも少なからずいるが、「給料は天から降ってくる」と思っているかの
ような振る舞いをする方々がいる。
「会社は収入がなければ給与を支払うことはできない。」
当たり前のことである。
会社の収入が減れば、給与や賞与が削減されることはある。また、リストラを敢行
する場合もある。さらには、倒産してしまえば全員解雇となる。
「経営者が悪いからこのようになったんだ。」という方がいる。
たしかに、そういった側面はある。
ただ、経営者とて万能ではない。
収入を確保し、支出を削減するためには、そこで働く職員の協力がなければ実現は
不可能であろう。
いかに、経営者と職員との間の信頼関係が非常に重要であろうかと思う。
それにしても、病院や我々のような介護サービス事業者は、収入の何割かは税金が
投入されていることをもっと自覚しなければならない。
ご飯屋さんも洋服屋さんも、その店に来てサービス提供を受けた方からお金を頂戴
して収入を得ている。
ところが、病院や介護サービス事業者は、直接サービス提供を受けていない方が
支払った税金も収入の一部となっている。
私たちは、組織が民間であろうと公的法人であろうと、部分的に公益性を求められ
ているのである。
つまりは、そこで働く職員の体の一部は公務員と同等の扱いということである。
災害が起きた時、真っ先に自分が逃げ出すような公務員がいたとしたら、国民は
どう思うのだろうか。
マスコミがやたらと媚を売るような報道を繰り返していることで、勘違いしている
医療従事者が多くいるのではなかろうか。
今回退職する看護師たちには是非とも、他の業界で働いていただいて、現実の
厳しさを思い知ってもらいたいものである。