北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

死に対する尊厳

2020.7.27

前回当ブログで取り上げた『ALS患者の嘱託殺人』について、マスコミ各社が連日

こぞって、その行為を肯定するかのような報道を繰り返している。

自分たちの主張する方向へ世論を導こうと印象操作する手法は、いつものことで

あるが、今回ばかりは許せない。

 

情状酌量の余地があるか否かは、その後の裁判で取り上げられれば良いことで

あって、殺人は殺人でしかない。たとえどんな理由があろうともだ。

 

間抜けなマスコミは、「生き地獄」=「安楽死肯定」と短絡的に結論付けているが

今回の事件では、同時により深く考えなければならないことは『延命処置』に

ついてではないだろうか。

 

その処置の内容にもよるが、一度選択すると「もうヤダ!」と言って、途中で止め

ることができないものが多くある。

ALS患者にとっての人工呼吸器もその一種だろう。

医療が進歩して、様々な延命処置が可能となっている昨今だからこそ、人の尊い死

をより深く考えるべきではないだろうか。

 

以前、親交のあった医者がこんなことを言っていたことを思い出した。

「年老いて、病気が原因ではなく食べることができなくなることは、人間が死に

向かって準備している状態である。それなのに、胃瘻を作って無理やり延命する

ことは人の死への冒涜である。」

 

この場で、この発言の賛否を論ずるつもりはない。

でも、生きることを大切にするということは、死ぬことも大切にするということ

ではないのだろうか。