「お上の言うことには疑問を挟まず、ましてや逆らうなどもってのほか」という
考えは、いい加減やめた方が良いように思う。
我々介護サービス事業者は、その報酬の大部分を税金や保険料から頂戴している
公益性の高い事業を運営していることもあり、介護保険法を厳粛に守ることが
求められる。
そして、定期的に行政による監査(指導)を受けることが義務つけられている。
そのためか、行政からの指導や助言に疑問を挟まず、内容の如何を問わずにその
まま受け入れてしまう習性?があるように思う。
『お上』は、時の権力者や政治行政の執行機関を指す場合に使われる言葉であるが
その立場にいる者は、所詮平凡な人間であり、神様でも聖人君主でもない。
当ブログの『裸の王様たち』でも取り上げたとおり、
人間は誰しも煽てられると木に上るものである。
そして、上から下の者たちを見下ろすのである。
先日、当方の事業所宛に『財務省予算執行調査への協力のお願い』のメール文書が
届いた。
その依頼文書には、使用目的は全く記載されておらず、抽出された当該ご利用者の
抽出根拠も全く示されていなかったため、担当者へ問い合わせてみたが、明快な
回答は全く得られなかった。
時の権力者たちは、自分たちにとって都合の良い結論を導き出すために、偏った
データを集積し、時にデータを改ざんする。
「お上はうそをつかないし、間違ったことはしない」という発想は、幻想を通り
越して妄想に近い。
時の権力者たちは、うそをつくし、間違ったこともする。自分が偉くなったと勘違
いしている人であれば、よりその傾向が強く出る。
過去の政治行政にかかる事件や悲惨な戦争は、このようにして起こり、そして
繰り返される。
先週末に執り行われた終戦記念にはせた思いを常に持ち続けてもらいたい。
使用目的や抽出根拠を示さない、こういった調査依頼にもろ手を挙げて協力する
必要など全くない。
我々は、地域住民や市民、ひいては国民の健康維持や福祉的支援ために職務に従事
しているのであって、行政マンの欲求を満たすために働いているわけではない。