北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

在宅という選択肢

2020.9.17

昨日の早朝に担当していたご利用者の訃報が入った。

 

ご家族の懸命な介護もあって、担当医から告げられていた予後をはるかに超える

期間自宅で過ごすことができた。

そのせいか、ご家族皆さんの表情が悲しみの中でどこか満足気にも見えた。

「病院への入院を選択するか、在宅で看取りを行うか」について、担当医や関係者

と何度も話し合った。その都度、ご家族の心は大きく左右に揺れ動いていたように

思えた。

それでも、ご本人の思いにご家族が懸命に応えて最期を迎えた。

この場を借りて、ご冥福をお祈り申し上げます。

 

先日、地域にお住まいの方が「最近、近所の人がよく亡くなる。」とつぶやいて

いたことを思い出した。

たまたまいくつかのご不幸が重なっただけのことであり、人の生死を操作できる

ものなどないことは誰もが知っている。

 

しかし、その感覚は強ち『個人の思い込み』ではないようにも思える。

 

時代背景や社会環境の変化によって、ご自宅で最期を迎える方が増えている。

事実、当方がかかわった方々の中で自宅で最期を迎えた方の割合がここ数年軒並み

増えてきている。

 

たとえ近所にお住まいだった方であっても、長年病院や施設に入っていたのちに

お亡くなりになったと聞かされた場合には、身近なこととして感じにくいように

思う。

ところが、さほど親密なお付き合いのなかった方でも「近所の〇〇さん、昨日

ご自宅で亡くなったんだって。」と聞かされると身近なことに感じやすいように

思う。

それほど、ご自宅で最期を迎えるということは、周囲の人に多大な印象や影響を

与えるように感じる。

 

別段、最期を迎えるべき場所は『施設か自宅か』を議論したいわけではないし、

いづれであっても、正解不正解などと簡単に審判することではない。

 

それでも我々が『在宅』にこだわり続けるのは、ご本人がそう望んでいても、社会

環境等の理由で『在宅生活の継続』が選択肢にすら挙げられないことがあまりにも

多かったからである。

『ご本人が望む在宅』が選択肢に挙げることができるよう、微力ではあるが活動を

続けていきたい。