北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

現場におけるハラスメント

2020.10.16

9月30日の社会保障審議会・介護給付費分科会で『介護現場でのハラスメントから

職員を守る対策を強化する』ため、厚生労働省は来年度の介護報酬改定でも何らか

の手を打てないか検討していく。

との報道を見た。

 

この課題は、長年に渡って我々の業界で取り上げられてきた。

だいぶん昔の話になるが、以前勤めていた職場で入浴介助中の女性スタッフに対し

卑猥な言葉かけを繰り返し、自分の局部を触るように強要しようとする男性のご利

用者がいた。介助者を男性スタッフへ変更するなどの対応を取ったが、別の介助

場面で同様の行為を繰り返していたため、同居の家族を交えて何度も話し合いを

行った。

その話し合いの場で、本人からは「悪いことをした覚えはない」、家族からは

「それぐらいどうということではないのでは」との言葉が発せられた。

結局、判断能力が十分にある本人に、ふるまいに対する改善の意思がないこと

から、サービス利用を中止することとなった。

我々は言うまでもないことではあるが、性風俗業ではない。こうした行為には毅然

とした態度で応対することになる。

 

しかし、当該サービスの利用を中止しても、そのご利用者が支援を必要としている

状況に変わりはないため、恐らくは別の事業所のサービスを利用することになる

だろうことは予想できていた。

自分たちで解決ができないままに、別の事業所へ移ることになってしまうことに

対して、申し訳なさと悔しさが込み上げてきたことを今でも覚えている。

 

こうした問題が取り上げられると「そういった課題を解決することも介護技術の

一つだろう」とか「認知症状を持つ方に罪はないのではないか」といったご意見が

聞かれる。それはその通りであろうと思うし、個々のケースに画一的な対応をとる

ことは適切ではない。

 

とはいえ、

人と人とのかかわりの中では、人的トラブルの発生が避けられないことがあり、

施設側の自助努力やスタッフの介護技術、相談援助技術の研鑽だけではどうしても

解決することが難しいこともある。

 

同分科会では、医療や法律の専門家といった多職種でこのような問題を解決する

仕組み作りを話し合ってもらいたいと切に願う。