北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

訪問リハビリテーションが利用しにくい結果だろう

2020.11.19

先日、当ブログで取り上げた「訪問看護におけるリハビリ専門職の配置を抑制

する」話し合いが厚生労働省で盛んに行われている。

 

うがった見方をすると、

「これだけ盛んに行われているということは、結論が先にあって、帳尻を

合わせるための理屈をあれこれ並べている最中かなぁ」と思えてしまう。

 

前回もブログで書いたとおりであるが、この話し合いはご利用者不在の全く理に

かなっていないものである。

 

介護保険制度におけるサービス種別である『訪問リハビリテーション』を利用する

場合には、同事業所に配置された医師の診療を受けることが原則となっている。

そのため、ご利用者やご家族に大きな負担が発生してしまうことがある。

 

例えば、訪問リハビリテーションの利用を検討している方のかかりつけの医療機関

(仮にA病院とする)では同サービスを運営していない場合、同サービスを運営し

ている別の医療機関(仮にB病院とする)の診察を定期的に受けなければならなく

なる。

B病院が訪問による診療の対応ができる医療機関であれば、自宅に来ていただく

こともできるが、そのような対応ができなければ、ご利用者は定期的に通院しなけ

ればならない。

 

訪問系のサービス(特に看護やリハビリテーション)をご利用する方の多くは、

通院等の外出に支援を必要としている。

その支援を実施するために仕事の休みを取って対応するご家族も多くいる。また、

介護タクシーなどを利用する場合もある。

A病院への定期通院だけでも大変なのに、同サービスを利用するためだけにB病院へ

の定期通院も増えるということは、ご家族への負担や経済的な負担が大きくなる。

 

結果として、「そんなに面倒ならサービスを利用することをあきらめる」という

ご利用者やご家族がかなりいる。

そうした場合の受け皿になってきたのが、『訪問看護』によるリハビリテーション

の提供である。

同サービスは、A病院の主治医からの指示に基づいてサービス提供を行うため、

別の医療機関の診療を受ける必要がない。

そして、同サービスに所属する看護師がリハビリテーションにかかるサービス提供

を行うこともあれば、同サービスに理学療法士等のリハビリ専門職が配属されて

いれば、それらの専門職からより専門的なサービス提供を受けることができる。

 

こうした背景から『訪問看護』にリハビリ専門職を配置する事業所が増えた。

にもかかわらず、訪問看護にリハビリ専門職を配置することを抑制しようとする

「結論ありきの話し合い」が盛んに行われている。

 

既得権益を守りたい一部の関係者によるくだらない話し合いはやめにしてもらいた

いと強く願うとともに、訪問リハビリテーションがもっと利用しやすいように制度

の見直しを図ってもらいたいと思う。