北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

平均額は総数割る頭数でしかない

2020.11.23

先日、報道された

介護職で組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」の

賃金の動向などを把握する最新の結果によると、月給で勤める介護職員の昨年の

平均年収は359万8000円だった。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、全産業の昨年の平均年収は463万

4900円。今回の介護職員との格差は103万6900円にのぼる。

との内容を見て思うこと。

 

当ブログの『平均値のマジック』でも取り上げた通り、「数字はうそをつかないが

使う人によって恣意的に事実がゆがめられる」ことがある。

 

『その業界の平均年収』と言われると、「その業界における多くの人がもらって

いる平均的な年収額で個人的に大きな差はない」と思うことだろう。

しかし、年収格差は業界によって大幅に異なる。

 

介護の業界においては、同じ業界あるいは同じ会社に所属する正規職員の年収格差

が10倍以上あるということはほとんどない。(役員が職員ではないことは全業界

で共通する)

他の業界の中には、同じ業界あるいは同じ会社に所属する正規職員の年収格差が

100倍以上あるということが、少数ではあっても存在する。

そのため、他の業界の中には、億単位の年収がある正規職員が平均値を大幅に上げ

るといった現象が起きるが、介護の業界には当てはまらない。

 

『平均額』は、「総額を頭数で割った数字」でしかなく、「多くの人がもらって

いる数字」ではない。

 

それでも、介護の業界の多くの人がもらっている年収額は359万円と近似値にある

と思われるが、他の業界の多くの人がもらっている年収額の近似値は463万円では

ないだろう。

つまりは、介護の業界とその他の業界との間には、多くの人がもらっている年収額

に大きな差はないと考えている。

 

『UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)』は、「介護職員の所得を少し

でも増やしたい」との思いから、情報を発表したこととは思うが、いたずらに業界

の年収が低い低いと自分たちを卑しめることは避けたほうが良い。

 

私に言わせれば「年収は低くないし、伸びしろが大いに期待できる職種」である。