前回の続き・・
「居宅介護支援事業の介護報酬算定基準の中に『特定事業所集中減算』という項目
があり、ご利用者を法人(会社)単位で囲い込んだり、特定の事業所とケアマネ
ジャーとの癒着を懸念してこのような対策が講じられた。」と述べた。
「特定の事業所とケアマネジャーとの癒着などこの世には存在しない。」と言い
たいところであるが大小の違いはあるが、現実には存在する。
実際に、ある事業所がご利用者を紹介してくれたケアマネジャーに対して、見返り
として金品を渡したことが発覚して行政処分を受けたという事例がある。
また、毎年お歳暮やお中元をケアマネジャーが所属する事業所へ当たり前のように
持ってくる介護サービス事業所も少なくない。
こうした行為は、職業倫理に反する行為であり、行政処分や場合によっては刑事罰
を受ける対象とするべきものであり、『減算』などと生ぬるい対応ではことは足り
ないと感じている。受け取ったケアマネジャーは当然のこと、渡した介護サービス
事業者に対しても厳罰化するべきものである。
しかし、こういった行為が横行しているのは福祉サービスというよりは、医療業界
の方が「先輩」ではないかと思う。
入院や治療、手術の便宜を図ってもらうために病院や担当医師に金品を手渡す状況
を幾度となく見聞きしてきた。仕舞には、ご利用者やご家族から「今度手術して
くれるお医者さんへいくらお包みしたらいいのだろう。」などと訳のわからない
相談を受ける始末である。
そういった点からも、今回話題にしている減算の対象が福祉系サービスのみで医療
系サービスが除外される合理性が全く見当たらない。
ところで、『お歳暮やお中元』と聞くと公に認められている風習という認識を持つ
人が多くいるように思うが、この行為のほとんどは何らかの見返りを求める行為に
他ならないと感じている。
そういった意味では、風習と収賄の合理的な線引きなどできるのだろうかと思って
しまう。
この減算が制度化された背景と言われている『法人(会社)単位の囲い込み』に
ついても物申したいので、続きは次回に持ち越すこととする。