新型コロナウイルス感染症拡大がいまだに治まり切っておらず、医療崩壊が叫ばれ
ている現状の中で
『新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国は重症化リスクを踏まえ介護施設など
で無症状の職員や利用者への集中的な検査を行うよう求めている。こうした中で
厚生労働省は3日、立ち会いが難しい場合は医療職がいない環境下での唾液検体の
採取を認める方針を示した。』
との報道があった。
行政保健機関や医療機関は、この先『ワクチン接種とPCR検査』の両輪をフル稼働
させなければならないため、国は同機関の負担軽減を図るために上記の方針を示し
たのだろう。
同感染症で陽性の可能性が高い方のPCR検査は医療機関等で引き続き行い、施設等
にいる陽性の可能性が低い方の同検査は介護現場で実施するということのようで、
一見すると理にかなった方針であるかのように思える。
しかし、検体採取には一定程度の知識や技術を要することや要介護状態の高齢者
から採取することの難しさなどを考えた場合に、介護現場にかかる負担は相当重い
と考えられる。
知識や技術が劣っている者が実施するということは、通常よりも多くの時間を要す
るということであり、感染や事故のリスクも高くなるということである。
『医療崩壊』は、多くの国民が身近なものと感じやすいかもしれないが、『介護
崩壊』と聞かされてもピンとこない国民も相当数いるように思える。
医療の現場以上にひっ迫しているのが介護の現場ではないかと感じることが多く
ある中でさらなる負担を強いることになりかねない今回の方針は果たして適切な
判断なのだろうか。