緊急事態宣言が解除され、久しぶりにご訪問することができたご利用者宅へ伺った
ところ、とても興味を引くものが置いてあった。
それがこれである。
手動式のポットのお湯を出すために押す場所に、お猪口を滑り止めシートで包み、
洗濯ばさみを固定した割り箸をポットの手持ち部分にセットするといったものだ。
なぜこのようなものを作ったのかとご主人に聞いたところ、「妻が腕の力なくなっ
てきて、自分でポットのお湯を出せなくなったので、こんなもんを作ってみた。」
「これなら、一人でお茶を飲むこともできると思う。」とのことだった。
このような手動式のポットをお持ちの方はよくわかると思うが、お湯を出すために
押す場所はとても重たく、それなりに過重をかけないと思ったように出てこない。
そのため、生み出された創意工夫である。同席していた作業療法士も目を丸くして
感動していた。
最近では、レバー式になっているポットや電動式のポットも市販されているので、
こうした機会に買い替えるということも一つの手段であろうと思うが、たくさんの
お金をかけなくても、知恵と工夫で住みやすい環境を作ることができるという模範
的な事例だったので、皆さんへ紹介しようと思った。
しかし、当のご本人からは「こんなのカッコ悪くて使いたくない。」という落ちが
ついた。トホホ・・。