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みのりの丘代表ブログ

コロナ対策も重要だが熱中症対策も

2021.7.13

今週の札幌市近郊の気象予報を確認すると、週末から気温30度を超える真夏日が

連続するとのことであった。

とうとう北海道にも『本物の夏』が来る。

 

この様な時期になる我々の業界の人たちが気にすることは、『熱中症』である。

熱中症と言うと、子供たちが炎天下の屋外で部活動をしていると起きてしまう状態

というイメージを持っている方も多くいらっしゃるかもしれないが、活動性が低下

して、屋内で過ごすことが多い要援護高齢者に起きてしまうことの方が多い。

 

熱中症とは一般的に、高温多湿の環境下で長時間過ごすことによって体温調節機能

や体内の水分と塩分のバランスを崩すことによって引き起こす症状のことを指し、

めまいや吐き気といった比較的軽度の症状からけいれん発作や意識障害といった

重篤な症状を引き起こし、時として命を取られてしまうこともある。

 

高齢者は、一般成人と比較すると

・体内に水分を溜める機能が衰え、脱水状態になりやすい。

・寒暖の感覚が鈍くなり、高温多湿の場所にいても違和感を覚えにくい。

・喉の渇きを感じにくく、自発的な水分摂取につながりにくい。

・汗をかく機能が衰え、体温を下げることが難しくなる。

などの特徴があり、体内に熱をため込んでしまい熱中症を発症しやすい。

また、持病を抱えているとその危険度はさらに増してしまう。

 

「それじゃー、室内の温度や湿度を下げて、水分を補給することで解決する

だろう」というとそれほど単純でもない。

高齢者の場合には、そもそも室温も体温も違和感を覚えていないことが多いため、

換気しようと窓を開けたり冷房を付けても「寒い」といって閉めたり消したりして

しまう方が多くいる。

また、喉が渇いていないのに水分摂取を促しても行動につながらないことも多い。

さらには、『真水』をむやみに摂取すると体内の塩分濃度が低下してしまい、調整

しようとして水分を体内から排出する作用が働くと脱水状態が加速してしまう。

 

そのため、周囲の方々の配慮や支援が重要になってくる。

対象となる高齢者の生活習慣や嗜好に合わせて、換気や適切な水分・塩分摂取が

できるように支援する必要がある。

また、冷房機器を利用するとしても、「寒い」と感じにくい除湿機能のみを利用

するなどの工夫も必要となる。