厚生労働省と社会福祉振興・試験センターが9日に結果を公表した最新の「就労
状況調査」で、介護・福祉の現場で働く『社会福祉士』と『介護福祉士』の年収が
明らかにされ、両者を比較する内容の報道があった。
『2019年の社会福祉士の額面年収平均を男女ごとにみると、男性が473万円
女性が365万円(平均403万円)となっており、給与水準の満足度は
「満足」、「やや満足」があわせて35.8%で、「不満」「やや不満」の32.
5%を少し上回った。
2019年の介護福祉士の額面年収平均を男女ごとにみると、男性は373万円、
女性は269万円(平均292万円)となっており、給与水準の満足度は
「不満」、「やや不満」が28.3%で、全体の4分の1を上回り、「満足」
「やや満足」の17.4%より多かった。』
といった内容だ。
この報道の意図はわからないが、単純にみると社会福祉士の方が介護福祉士より
年収が高いということだろう。
しかし、資格のみで単純に年収を比較することはあまりフェアーには思えない。
日本では多くの先進国と同様に学歴が重要視され、それがそのまま年収に大きな
影響を与える。
社会福祉士を取得した方のうち、一定割合が福祉系の4年制大学を卒業している。
一方で介護福祉士を取得した方のうち、4年制大学を卒業している割合は少ない。
「『社会福祉士』と『介護福祉士』では、どちらがより価値の高い資格であるか」
をこの場で論じるつもりはないが、大いに私見を交えて言うなれば『社会福祉士』
が価値の高い資格だとは到底思えない。
この資格を取得するための教育プログラムを見ても、『医師』や『看護師』のよう
な実践に直結する知識や技術とはなっていないし、同分野の教育者は実戦経験が
あまりない方が多く、講義の内容は学者による概論や総論が非常に多い。
いざ社会へ出て、学んだことを生かそうとしても全くと言っていいほど
通用しない。
社会福祉分野で有資格者か否かで差を感じることは全くないが、介護の分野で
『介護福祉士』の有資格者か否かで差を感じることは大いにある。
そういった観点からすると、実践に直結する知識や技術を習得した者が取得する
『介護福祉士』と言う資格の評価がもっと上がってもよいのではないかと思ったり
する。そのためには、同資格も4年制にした方が良いのではないだろうか。
(結局、二つの資格を比較しちゃった・・)