先日、東京オリンピック・パラリンピックへ出場する予定の女子新体操日本代表
通称:フェアリージャパンを特集するテレビ番組を見た。
その中で非常に興味を持ったことは、コーチが「演技中にミスが出ることを前提と
して演技のプログラムやそれぞれの動きを決めている」と言う所についてである。
『ミス』はいつでも誰にでも起きる。
その原因は、単純な計算間違いや思い込みによるものから過度の緊張状態により
正常な判断や動きが取れずに起きてしまうことなど様々ある。
また、軽微なミスから重大なミスまで様々なものがある。
長年、色々な人を見てきて思うことは、『ミスを前提としているか否か』によって
その人のその後が大きく変わっていくと感じることが多くあるということである。
「人は自分も含めて誰でも間違う」という前提に立っている人は、同じ間違いを
あまり繰り返さない。
なぜなら、間違えることが前提となっているため、起きた間違いを受け入れて
なぜそのような間違いが起きたのかを分析して、同じような間違いが起きないよう
に何重にも予防線を張っておく習慣がついているからである。
「間違いは起きない起こさない」という前提に立っている人は、同じ間違いを
何度も繰り返す。
なぜなら、間違えることが前提となっていないため、起きた間違いを受け入れる
ことはせずに自己保身に走り、非難の目が自分に向かないように言い訳や取り繕い
でその場をやり過ごすことに懸命になり、なぜそのような間違いが起きたのかを
分析しようとしないからである。
そういった人は決まって「次は気を付けます」という決めゼリフを口にする。
しまいには、事実を隠蔽したり、他人に責任を擦り付けたりする人もいる。
こうした状況に陥らないようにするためには、『起きてしまったミスには寛容に
なると同時になぜミスが起きたのか、どのようにすることで同じミスが起きない
のかを一緒に考える』ことが重要ではないかと思ったりする。
コロナ渦で中々盛り上がりがない東京オリンピック・パラリンピックではあるが、
個人的には、『ミスを前提としている』フェアリージャパンの演技には大いに期待
しているし、注目したいと思う。