各業界と同様に高齢者介護にかかる業界も慢性的な人材不足に陥っている。
しかし、下記に挙げるような報道を目にするたびに「違う!ズレている!」と叫び
たくなる。
『コロナ禍で従来の仕事を辞めることになった人も含め、転職を考えている他業界の未経験者に介護現場へ多く来てもらうための施策をめぐり、厚生労働省は20日に今年度のメニューを改めて紹介する通知を発出した。新たに介護職員となって働き始める人に”支援金”として最大20万円を貸し、仕事を2年以上続ければ返済を全額免除する施策が目玉。初任者研修などを修了すること、介護施設・事業所へ就職することが要件となっている。厚労省は「関係事業者はぜひ活用の検討を」と呼びかけている。』
これではまるで「高齢者介護に興味がない人を金で釣って仕事に従事させる」施策
ではないか。そして2年が経過するころには「金の切れ目が縁の切れ目」とばかり
に挙って転職していくのではなかろうか。
同業界の仕事を知らない人が同施策を見ると「その仕事は、金を出さないと人が
集まらない。そんなひどい仕事なのか。」と思ってしまうのではないだろうか。
この仕事に『誇りとやりがい』を持って従事している同胞に対して失礼極まりない
施策である。なぜ、『今この仕事に従事している人たちを大切にする』という発想
がないのだろうか。
“支援金”を支給する対象者が違うだろう。
同じ“金”を使うのであれば、今この仕事に従事している人たちの身分を引き上げ、
『誇りとやりがい』が増すことに使用するべきであろう。
その結果、現在職についていない方や転職を考えている方にとって「憧れの仕事」
として従事する仕事の選択肢にあがるのではないだろうか。