1年前、当ブログでこんな記事を紹介したことがある。
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長から「転倒や転落、誤嚥を事故と認定することについて少し意見を言いたい。例えば、認知症で危険の意識がなく歩行能力も衰えている方などが転倒されるということは、もう事故ではなく老年症候群の1つの症状ではないかと思う。」さらに続けて、「我々はもちろん拘束はしないが、転倒などを事故とすることで訴訟が頻発している。しかも敗訴が多く大変問題となっている。転倒や転落、誤嚥は本当に事故なのか、ということも検討して頂きたい。」と呼びかけた。
おそらく、この発言は特別養護老人ホームに入居されていた方が出されたおやつを
召し上がった後に死亡したことに対する施設職員の刑事責任を問う判決を受けての
ことであろうと思う。
この発言を受けて、私は現場を代弁してくださった東会長に感謝を申し上げると
同時にリスクを抱えながらも『生かされるのではなく生きる』ことを支援したいと
申し上げた。
そして、そのためには命に直結する危険性が非常に高い『誤嚥』への対応が重要で
あろうと思っている。
医療の業界には、食事をとる行為へのアプローチを専門とする『言語聴覚士』や
提供する食事そのものへのアプローチを専門とする『管理栄養士』などの専門職種
がいる。そして、当方には、その2職種の専門家が在籍している。
今現在も食事を摂ることへのトラブルを抱えているご利用者の対応をしているが、
来春開設予定の看護小規模多機能型居宅介護事業を開始すると同様のトラブルを
抱えるさらに多くのご利用者とお会いすることになると考えている。
そうした状況に備えて、上記2職種を中心にして、様々な状態にあるご利用者を
想定したシュミレーションを行っている。
私たちは、これからも『生きる』ことを積極的に支援したいと考えており、その
ためには、妥協することなく取り組みを続けたいと思う。