北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

手当と加算はまやかし

2021.11.29

給与所得者である労働者にとって馴染み深い『手当』といえば、

基本給に付加される給与所得で、役職に係る手当や資格に係る手当、家族手当、

住宅手当、通勤手当、時間外労働に係る手当など所属する法人によって様々な名称

の手当がある。

 

他の法人に所属している方や採用面接などで、「今の会社ではこんなに沢山の手当

がある」と、心成しか誇らしげに語っている場面に遭遇することがある。

 

各種手当にはそれぞれの意味合いはあるが、時間外労働に係る手当以外のものは

総じて述べると所属する職員の「区別化」によるところが大きい。

扶養する家族を要している方には家族手当を、マイホームを所有している方には

多くの住宅手当を、遠方から通勤している方には多くの通勤手当といった具合に。

 

しかし、前述の「こんなに沢山の手当がある」ことって、本当に労働者にとって

喜ばしいことなのだろうか。

例外はあるものの、多くの手当は退職金や賞与計算時には加味されない。つまり、

言葉を変えると「手当を多くすることで退職金や賞与を安く抑える」ことができる

ということになる。沢山手当てがあると言って喜んでいる方は、人件費を安く

済ませようとしている法人側の術中にまんまとはまっている。

 

さらに言えば、昭和の時代と違って「家族を持ち、マイホームを建てることが夢」

ではなくなってきており、LGBT等の兼ね合いから考えても家族手当や住宅手当に

対する合理性が薄くなってきている。

そもそも、手当を沢山もらっている方がもらっていない方の2倍3倍働くわけでは

あるまい。

『基本給が高く、手当が少ない法人』が優良な組織となってくるように感じる。

 

このことは、介護サービス費に係る介護報酬にも同じようなことが言える。

加算、加算、加算と何かにつけて加算が新設される。そして、その加算の多くは

膨大な事務量をこなさないと得られないものや合理性の薄い人員配置が求められる

もの、いつの間にやら本体報酬に吸収されてしまうものばかりである。

 

現政権下では、「看護・介護・保育などの職員を対象に公的価格のあり方を抜本的

に見直す」とのことで、同職種の地位向上を目指すと同時に所得の改善を行う計画

が実行されようとしている。

まだその全容は明らかにされていないが、加算、加算で急場しのぎをしようと

しているきらいがある。

抜本的な地位向上を目指すのであれば、「基本給が高く、手当が少ない」と同様に

『基本単価が高く、加算が少ない』ことを強く求めたい。

 

「加算が増えた」といって喜んでいる介護事業者は、「沢山手当がある」といって

喜んでいる方と同様に・・・である。