『国内最大級のポータルサイト「ヤフージャパン」は22日、ヤフーニュースのコメント欄で違反投稿を抑止する取り組みを強化したと発表した。誹謗中傷対策の一環で、同日からコメントごとに「非表示・報告」とのボタンを設け、不適切な書き込みについて読者からの通報を促す。違反投稿を繰り返す利用者への警告も強めた。報告ボタンはコメントの右上に設け、読者は「わいせつや暴力的」や「過度な批判や誹謗中傷」などの理由を選んで送信する。違反投稿を繰り返す利用者への警告に「発信者情報開示請求を受けた場合、法令上の手続きにのっとり開示を行う場合がある」との文言を加え、プロバイダー責任制限法に基づいた対応を取ると強調した。』
との報道を見て思うこと。
この様な問題が発生することはあらかじめわかっていたと思うので、いささか対応
が遅いと感じるが、それでも今回のような対応を始めたことは一歩前進と考えて
いいだろう。
それにしても、顔も名前も出さずに他人へ一方的な攻撃を加える『闇討ち』のよう
な行為は、秩序や倫理観の問題ではないように感じている。
誹謗中傷する人自身がまさに『闇』を抱えているように思うし、場合によっては
治療が必要な病的な精神状態にあることも多いように思う。
そう考えると、違反投稿に対する規制を強化することで、一定程度の効果は得られ
ても根本的な解決には程遠いという状況が続くようにも思える。
しかしこれは、ネットやSNS上の問題だけではない。
先日、札幌市内のホテルで亡くなっているところを発見された著名人のご遺族で
ある著名人が会見を行った際、会見に参加していた記者から「今のお気持ちは?」
との質問が投げかけられたことが話題となっている。
著名人であったため会見を開くことになったわけだが、最愛の娘を亡くした直後の
親の気持ちなど聞かなくても誰でもわかる。
どういった意図でその記者がそのような質問をしたのかはわからないが、倫理観と
言うよりも、サイコパシーな要素を感じる。
誹謗中傷への対応対策を考える上では、規制を強化することも大切だとは思うが、
同時に『闇を抱えている人』へのケアも重要になってくるのではなかろうか。
現代社会は、便利になった分だけ「生きずらい」世の中になっているようにも感じ
るため、こうした『闇』はますます広がっていくように思う。