『認知症の人と家族の会や全国労働組合総連合(全労連)など7団体が1月28日、衆議院議員会館で院内集会を開催。「介護保険制度の抜本的転換」を国に訴える署名を、19万6073筆集めたと報告した。
署名用紙の中では、次のように問題を提起している。
「政府は少子高齢化が進む中で、高齢分野への財政支出を増やすことなく、利用者負担を増やし、サービス削減を続けてきた。その結果、利用者・家族の生活困難が拡大、介護離職は高止まりし、介護殺人も後を絶たない」「介護職員の給与は全産業平均より低いまま。何年勤めても給与が上がらず、やりがいを感じながらも働き続けられず辞めていく」
そのうえで、利用者負担の更なる引き上げやケアプランの有料化などが今後に向けて検討されていることに言及。「これ以上の負担増、サービス削減は絶対に許されない」と強調している。』
との報道を見て思うこと。
この類のシュプレヒコールは決まって感情論が先行する。
「~高齢分野への財政支出を増やすことなく、利用者負担を増やし、サービス削減
を続けてきた。」と訴えているようだが、同財源支出は高齢者人口の自然増に伴っ
て毎年増えている。また、国の負担を増やして個人の負担を減らすといった趣旨の
訴えも行っているようだが、国自らが働いてお金を稼ぐわけではない。国の財源を
増やすということは国民の納税額を増やすことや借金して将来へツケを回すことに
他ならない。
何という身勝手な訴えなのだろうと思う。
それとも、この人たちはお金は天から降ってくるとでも思っているのだろうか。
また、「これ以上の負担増、サービス削減は絶対に許されない」とも訴えているが
高齢者人口が増え続け、生産年齢人口が減り続けている今、サービスの削減や選択
を実施してもらわなければ、現場は人手不足でパンクしてしまう。
さらには、「サービス削減を続けてきた。その結果、利用者・家族の生活困難が
拡大、介護離職は高止まりし、介護殺人も後を絶たない」とは、あきれてものも
言えない。
限られた人材を有効に活用するためにも、サービスの削減や選択を実施して、生活
が困窮している方々へ支援の手を集中するべきである。また、介護離職や介護殺人
とサービス削減には何の因果関係もない。
こういった無知・無能な人たちの訴えが、我々介護現場で働く者の首を絞める。
「限られた人材や財源をより有効に活用するためにはどのような制度設計が必要と
なるのか」といった論理的な思考が全く見えない。
アピールの材料として使うのではなく、本気で我々介護現場で働く者たちのことを
考えているのであれば、「介護現場のマンパワー不足を補うために、私たちはこの
ような取り組みを積極的に行います」といった発言があってもよいものだが・・。
この手の輩には無理だろう。