私たちの業界では比較的なじみのある制度として、『社会福祉施設に係る自動車税
の課税免除・減免』というものがある。
これは、主に障がいをお持ちの方の移動手段として使用する自動車に係る税金を
免除(減免)することを目的とした制度で、要件に当てはまれば自家用車以外にも
医療機関や福祉施設が所有する車両が対象となる。
しかし、身近な諸制度の中でこの制度ほどアップデートが行われていないものは
ないのではないかと思っている。
この制度で対象となる福祉系施設には、老人福祉法によるデイサービスは含まれて
いるが介護保険法によるデイサービス(通所介護)は含まれていない。そして、
介護保険法の中で対象とされている施設は、老人保健施設とグループホームしか
ない。
現状では、介護保険法によるデイサービス(通所介護)事業を開始する場合であっ
ても、老人福祉法についても開始の届け出を行う必要があるため、両法の指定許可
を受けて事業を開始することになる。
そのため、介護保険法によるデイサービス(通所介護)であってもこの制度の対象
施設になるわけだが、介護保険制度が制定された2000年以降は老人福祉法に
よるデイサービスを単体で運営することはほぼない。
そして、この理屈は特別養護老人ホームにもあてはまる。
つまりは、老人福祉法によって対象施設となっているのに、介護保険法では対象
施設とならないなどということは時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ない。
また、両法の指定許可を受けた結果として、介護保険法によるデイサービス(通所
介護)が対象施設となっているのに、同等もしくはより重症度の高い方々を送迎し
ている小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護が対象施設となって
いないことへの矛盾についても大いに疑問がある。
介護保険制度が制定されてから20年以上の歳月が経過しているが、この制度に
ついては全くアップデートされる気配がない。
「マイナンバー制度は各種制度を横断して対応できる」などと国はアピールして
いるが、中身が全く追い付いていない。
車税担当のお役人さん!
介護保険制度が制定されてから20年以上経ってますよ~