北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

仏作って魂入れず

2022.5.30

国内で事業を行うためには、様々な法令に基づいて運営しなければならない。

予め決められたルールであるため、我々も当然その法令に従って事業運営を行って

いる。

しかし、全国一律の法律や制度であるはずのルールが地域によってあるいは担当者

によって大きく解釈が変わる(いわゆるローカルルール)ことを何度も目の当たり

にすると「ルールって一体何なんだ」と思うこともしばしばある。

 

当方が遵守しなければならないルールの中に介護保険法というものがある。

この法制度は、3年に1度ルール変更(見直し)されるものではあるが、基本的に

全国で一律に適応されるものとなっている。

そして、我々事業者は、そのルールを監督する行政機関から日常的に様々な種類の

書類の提出を求められる。

 

「ルールなんだから従えばいいだけだろ」と言われればその通りなのだが、年々

複雑化する一方であることに加えて、前述のローカルルールが横行する現状を見る

と、『難解なクイズに解答している』気分になる。

 

先日、当方が誤った書式の申請書類を提出してしまったため、ある種のペナルティ

を受けることになったという事案が発生した。

こちらが間違えていたのだから当然の結果なのだが、「この場合の正しい書式って

どこにあるのだろうか」と思い、行政が公開している書式一覧を見てもどこにも

見当たらない。よくよく見てみると類似する書式があり、想像力を働かせることが

できればそれが正解であることがわかる(まるでクイズだ)。

ちなみに、近隣市町村が公開している書式一覧には該当する書式が存在していた。

 

しかも、誤った書式の申請書類を提出したことが発覚したのは、直接書類を提出

した行政機関ではなく、その上部の機関から指摘を受けたことで明るみに出た。

つまり、直接書類を提出した行政機関も間違いに気が付かなかったのである。

誰もがついてくることができないルールは、もはやルールとは言えないのではない

だろうか。

 

法律や制度を監督する行政府は、「制度が複雑であればあるほど良い」と考えて

いるふしがある。そうした方が、国民や事業者より優位な立場に身を置くことが

できて管理監督しやすいからだろう。

しかし、複雑化しすぎて、自分たちもそのルールに従って動くことが出来ないとは

何と滑稽な事か。

「該当する全ての人に守ってもらいたい」と思うのであれば、わかりやすくルール

を作ればいい。今回問題となった書式をとっても、複数に分類せず一本化して

注釈をつければよいだけだと思うがそのようにはなっていない。

 

『仏作って魂入れず』とはこのことか。