北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

人財の活用

2022.7.25

『介護現場では職員の負担軽減が大きな課題。厚生労働省は生産性の向上、ICTの

導入などに取り組むうえで参考になる資料を公式サイトにまとめた。これらの活用

を呼びかけている。』

との報道を見て思うこと。

 

上記の公式サイトでは、介護事業者に対して「紙媒体を極力廃止してICT機器・

ソフトウェア導入する」ことが推奨されている。

無論、こうした動きは今後必要となることは言うまでもないのだが、ICTの導入と

介護現場の職員の負担軽減は必ずしもリンクしてはいない。むしろ、「手続きや

書式の統一、加算等の一貫性を担保する」という点においては、厚生労働省こそ

ICTの導入や紙媒体の廃止を推進したほうが良いし、結果として我々の負担が減る

ことにつながる。

新型コロナウイルス感染症対策ではFAXを多投している保健所やデータの管理に

フロッピーディスクを使用している年金事務所、介護サービス事業者とのデータ

連携を図るLIFEの不具合など、時代に取り残されている厚生労働省がどの面下げて

いっているのやら。

「介護サービス事業者へあれこれ求める前に、あなたたち厚生労働省がやるべき

ことを実行してくれれば、それだけで我々の負担は大きく減るんですよ。」

厚生労働省は、自分の身を削らずに相手に何でもやってもらおうという発想なの

で、介護現場の負担が増えることはあっても減ることはない。

 

最近は、「介護職員の負担軽減」というと専ら“ICTとロボット”がメインの話題と

なる。それはそれで進めてもらって大いに結構なのだが、“人財”の話題が疎かに

なっていることが非常に気になる。

 

昔は看護助手と呼ばれていた“看護補助者”は、数少ない看護師が看護業務に集中

できるように医療処置や看護業務以外の業務をサポートする役割として生まれた

職種である。

そしてこれからは、介護従事者が専門性の高い介護業務や直接ご利用者にかかわる

業務に集中してもらうために、そのサポートを行う“介護補助者”が必要になる。

介護補助者であれば、介護に係る専門的な知識や経験がなくても携わることができ

るので、他の業界しか経験がない方にとってもハードルが低い。また、業務内容に

よって若干違いはあるかもしれないが、幅広い年齢層が従事できる。

 

「介護職員の負担軽減、人材不足の解消」という点においては、ICTやロボットの

実用性はまだ低いし、外国人労働者の活用についてもまだ時間が必要な状況と言わ

ざるを得ない。

“人財”の活用こそが、「介護職員の負担軽減」に有効な手立てだろう。