北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

コロナ渦でみえてきた介護サービスの在り方

2022.8.11

2024年の介護保険制度改定に向けた審議がボチボチ始まっている。

同保険財政のひっ迫から介護サービス事業者にとっても、そのご利用者にとっても

厳しい改定内容になることが予想される。

既に各介護保険サービスの報酬単価の引き下げや自己負担額の増額などが議題に

あがっており、そのまま成立する可能性が極めて高く、どの介護保険サービス種別

の引き下げ幅を大きくするのかが今後の焦点になってくるように思う。

 

しかし皮肉なことに、新型コロナウイルスの大流行によって、社会保険サービスと

して存続させるべきサービス種別とそれほどでもないサービス種別とが明らかに

なったように思える。

 

当方が運営する事業でいえば、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅

介護をご利用される方々は、例え新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者となっ

たとしてもサービス利用を完全に中止するということはあり得ない(入院治療が

必要な状態となれば別だが)。なぜなら、サービス利用を中止してしまえば、生活

を維持することが難しくなるからである。

そこで我々は、他のご利用者との接触を避けるためにサービス内容を組みなおして

感染者には、防護服を着て対応するなどしてサービス提供を続けることとなる。

 

しかし、当方が運営する通所サービス事業をご利用される方々の中には、「感染が

怖いから」という理由で、自主的に長期間サービスの利用を中止される方が少なく

ない。ご利用される方にとって「無用なサービス」ではないし、長期間サービスの

利用を中止した結果、閉じこもり傾向が強くなり心身機能が著しく低下する危険性

をはらんではいるものの、「そのサービスを利用しなければ、生活が維持できなく

なる」という位置づけにはない。

つまり、「長期間利用しなくても生活を維持することができるサービス」は、ケア

マネジメントにおけるフォーマルサービスとしての体をなしていないことになる。

 

そのように考えると、前述の介護保険制度改定に向けた審議の中で議題にあがって

いる『通所介護を利用する要介護1、2を総合事業へ』は、財政政策という観点だ

けではなく、“社会保険サービスとしての意義”という観点に立っても妥当な考えと

言えるかもしれない。

 

当然そのような改定が実行されれば、我々は事業運営方針を大幅に修正する必要に

迫られるわけだが、それでも社会保険制度の永続性やサービスの本質を担保する

こと考えればやむを得ないことだろうと思う。

 

では今後どのように考えていけばよいのだろうか。

あくまでも自論ではあるが、規制をより一層緩和して、介護保険制度化における

通所サービスの代替えとなるフォーマル・インフォーマルなサービスが事業あるい

は活動として成立できるようにしていった方が良いように思う。

そして、そういったサービスだけでは生活を維持することができない方々への対応

は多機能サービスが担うとした方が良いのではないだろうか。

 

ただし、現状のままでは、『ニーズあってサービスなし』となってしまうので、

法の整備が急務となるのではなかろうか。