北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

終戦記念日に何を思うか

2022.8.15

今日『終戦記念日(戦没者を追悼し平和を祈念する日)』を迎え、皆さんは何に

思いをはせるだろうか。

 

昨年から今年にかけて、“ロシアによるウクライナ侵攻、中国の台湾進攻危機、

北朝鮮の核開発”など、平和とかけ離れた状況が日々報道されている。

そして、それらの国々が日本に隣接していることから「日本の防衛体制を強化しな

ければならない。」との議論が盛んに行われており、その中には「我が国も核武装

が必要である。」という方もいたりする。

そういった議論に対して、防衛力強化や核武装を明確に否定すると“平和ボケ”など

と言われるほど、この手の議論が過熱しているように思える。

 

それにしても、核武装を肯定的に考えている方々は、「核兵器を持ってしまえば、

あとは何もしなくていい。」とでも思っているのだろうか。

それとも、東日本大震災によって原子力発電所が壊滅し、国土や国民に甚大な被害

を与えたことをもう忘れてしまったのか。

それから、核廃棄物の処理には何万年という長い歳月を必要とすることを理解して

いないのだろうか。

 

万一、戦争に核兵器が使用されることがあれば、戦争当事国だけの問題では済まな

くなる。その被害は隣国へと流れ、さらなる争いごとが生まれ、世界規模で甚大な

被害を受けることとなり、地球の破滅へとつながっていく。

ある科学者の研究によると、世界中の核兵器の総量は、同時に爆発させると人類が

ほぼ絶滅するだけの量に匹敵するらしい。そして、その場で事が終わるのではなく

生き残った人も放射能の被害で長年苦しむことになるそうだ。

戦争そのものについても大反対であるが、戦争に核兵器を使用することも、保有

することも“百億害あって一利なし”だ。

 

また、防衛力強化について、「自分たちを守るためには、それなりの準備をしなけ

ればならない。泥棒に入られないようにするためにセキュリティを強化するのは

当たり前のことだ。」と表現されることがある。

“自分の身は自分で守る”ことを全く理解していないわけではない。まして、「世の

中、全ての人が善人で争いごとなど起きない。」などとは思っていない。

しかし、どこまでセキュリティを強化すれば万全ということになるのだろうか。

仮想敵国に匹敵するあるいは凌駕するだけの武力を保持していれば万全ということ

なのだろうか。

 

自分の身を守るための武器は、時として相手を傷つける武器にもなりうる“もろ刃

の剣”である。そして、愚かな人間は、強力な武器を手にすると使いたくて仕方が

なくなる。広島や長崎に原爆を投下したアメリカ軍のように。

日本では、ウクライナへの侵攻を続けるロシアを痛烈に非難し続けているが、我が

国は先の世界大戦では同じように隣国への侵略を行ってきた。この行為を「欧米諸

国の植民地支配から奪還する正当な戦い」といって正当化する方が多くいるよう

だが、「NATO支配からの奪還」をうたってウクライナへ侵攻しているロシアと

全く同じ構図になっている。万人にとって正当な戦いなどこの世には存在しない。

「世の中、全ての人が善人で争いごとなど起きないなどとは思っていない。」のは

日本人に対しても同じことが言える。

 

戦後77年が経過して、“戦争の語り部”が益々減ってきている。

あの悲惨な出来事を繰り返さないことがいかに難しいことであり大切なことである

かを語ってくれる方がいなくなることは、我が国にとっても世界全体にとっても

大きな損失である。