北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

人材不足緩和とサービスの質の確保

2022.10.26

『介護施設で掃除や洗濯、配膳など間接的な業務を担って介護職をサポートする「介護助手」について、厚生労働省は各サービスの人員配置基準上の位置付けを検討していく方針。介護現場の生産性向上を重視する厚労省は、これから「介護助手」の活用を更に広げていきたい考え。より専門性の高い業務を担う介護職の負担を軽くし、深刻な人手不足の緩和やサービスの質の向上につなげる狙いがある。』

との報道を見て思うこと。

 

以前、当ブログで

『昔は看護助手と呼ばれていた“看護補助者”は、数少ない看護師が看護業務に集中

できるように医療処置や看護業務以外の業務をサポートする役割として生まれた

職種である。

そしてこれからは、介護従事者が専門性の高い介護業務や直接ご利用者にかかわる

業務に集中してもらうために、そのサポートを行う“介護補助者”が必要になる。

介護補助者であれば、介護に係る専門的な知識や経験がなくても携わることができ

るので、他の業界しか経験がない方にとってもハードルが低い。また、業務内容に

よって若干違いはあるかもしれないが、幅広い年齢層が従事できる。』と申し上げ

たとおり、上記報道にあるような考え方はとても良い方向へ向かっていると思う。

 

気になることといえば、「厚生労働省は各サービスの人員配置基準上の位置付けを

検討していく方針」という部分についてである。

今後の人員配置基準の見直しは、“深刻な人手不足の緩和”が主な目的となっている

が、介護補助者を配置基準に盛り込むことによって新たな規制が生まれるような

状況になってしまっては本末転倒となる。あくまでも「規制を緩和する」方向で

話が進まなければならない。

 

さらに、もう一つの目的である“サービスの質の向上”も担保しなければならない。

看護師はその資格が独占する業務が明確になっているが、介護福祉士については

非常にあいまいになっている。人手が足りないからといって、介護補助者として

雇用された人材に専門性の高い介護業務や直接ご利用者にかかわる業務に従事させ

てしまうことが横行しないようにルールを明確化しなければならない。

 

折角良い方向に向っていても、中途半端な見直しの取組にとどまってしまっては、

現場は混乱するばかりで、ご利用者が多大な被害を受けることになってしまう。