昨日、当ブログで『厚生労働省が検討している「介護助手」の活用について、良い
方向へ向かっている』と述べたが、「その考え方には賛同しかねる」とのご意見を
いくつか頂戴した。
同ブログでも補足したように、“あらぬ方向”へ向かわないように細心の注意を払は
なければならないし、必要なルールの整備しなければならないため、「賛同しかね
る」との意見も理解できないわけではない。
しかし、限られた人数で効率よく結果を出すためには、『分業』という考え方は
不可欠であろう。
今でこそ当たり前のことと認識している方々が多くいらっしゃることかと思うが、
事務員や看護補助者が確立されていなかった当時の看護師は、受付から会計処理、
掃除、洗濯、調理等の業務を行いながら看護処置や診療補助業務に従事していた。
そして、こうした状況は規模が小さな組織であるほど顕著にみられた。
やがて患者が溢れかえるようになると、数少ない医師や看護師だけでは十分な手当
てが出来なくなってきてしまった。そこで、事務員や看護補助者を加えて『分業』
することによって、多くの患者への対応が可能となった。
今、『介護分野』で同様の状況が起きている。
「今までもやってきたことだから」などといって変化を嫌い、現状維持を強く主張
してしまうと、救えるはずの患者やご利用者を救うことができないばかりか、介護
スタッフがバーンアウトしてしまいかねない。
『深刻な人材不足の緩和とサービスの質の確保』を維持するためには、よりよい
変化を積極的に受け入れるとともに、“あらぬ方向”へ向かわないように建設的な
意見を出していくべきだろうと思う。