この忙しいときに、人材紹介・派遣会社から毎日かかってくる電話による営業活動
が煩わしくて仕方がない。
当方と付き合いもなければ、当方のことをよく知りもしないのに「御社にぴったり
の人材がおりますのでご紹介します。」など、よくもまぁ口からでまかせが言えた
ものだと呆れるばかりだ。
ただし、人材紹介・派遣は、収益性が高く業績を伸ばしている業界の一つであろう
こともまた事実である。
その背景には、国民の“働き方”に対する考えが少しづつ変化してきていることに
あるように思う。古き良き?昭和の時代のような、「仕事や会社に人生を捧げる」
などと考える人は激減し、「生き方に合わせた働き方」を重要視する人が増えて
いるのではなかろうか。
そして、その考え方を実現しやすい方法に“派遣労働”という選択肢があるのだろう
と思う。
特段そういった考え方を否定するつもりはないし、それで世の中がうまく回るので
あれば肯定的にとらえてもよいのかもしれない。
しかし現実は、「生き方に合わせた働き方を重要視する」=「仕事は適当でいい」
と考える人があまりにも多くいるため、派遣元と派遣先との間でトラブルが絶えず
派遣先の企業が疲弊している。
「それなら人材紹介・派遣を活用しなければよい。」わけだが、圧倒的な人材不足
で、自助努力だけでは打開することが難しい企業にとっては、藁をもすがる思いで
活用することになるのだろう。
そして、ろくに働きもしない“お荷物”に高額報酬を支払う羽目になる。
あくまでも個人的な見解ではあるが、「こんなことは長くは続かないだろう」と
思っている。
電話1本で営業活動を済ませるようなマッチング能力の欠片もない人材紹介・派遣
会社が繁栄し、知識や技術、情意の欠片もない派遣労働者が高額報酬を得るなどと
言うことがスタンダードになれば、企業はおろか国が沈没することにだって成りか
ねない。
そのようなアマチュアな会社や労働者はそのうち淘汰されていくだろう。
そう遠くない将来には、“正社員か派遣か”ではなく、“プロかアマチュアか”と
いう振り分け方が主流になるだろう。
もう少しの辛抱だ。