北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

ケアマネジャーは便利屋か?

2022.12.9

『政府は6日、マイナンバーカードのより柔軟な申請・取得に関する検討を始めた。自力での申請・取得が難しい高齢者や障害者などを対象として、代理人が必要な手続きを行えるようにできないか検討する。代理手続きの担い手として介護施設の施設長やケアマネジャーなどが候補にあがっている。』

との報道を見て思うこと。

 

昨今、要援護高齢者の中には各種手続きを代行してくれる家族が身近にいない方が

非常に増えている。そのため、上記にあげるマイナンバーカードの申請をケアマネ

ジャーが代行することはある意味必然になってくることが予想される。

 

しかし一方で、「ケアマネジャーは便利屋ではない。まして何でも無償で代行して

くれる都合の良い人ではない。」との反論も聞こえてくる。

確かに、介護保険制度上にある諸手続きの他、(正直、これを我々が代行していい

のか)と思うような諸手続きも代行しなければならない状況が多くある。また、

そのほとんどが無償で実施することが当たり前となっており、リスクばかりを背負

いこみ、報酬が全くない。

 

介護保険制度上にある住宅改修や福祉用具購入に係る手続きには、ご利用者の負担

を償還払いではなく現物支給とするために、ケアマネジャーがケアプランを作成し

保険者が求める申請書類を作成しなければならない。

当該ご利用者が、たまたま他の介護サービスを利用されていれば、居宅支援費を

請求することはできるが、そういったサービスを全くご利用されていなければ、

上記の申請手続きは“ただ働き”となってしまう。

 

また、ご家族が不在で急を要する場合などに、ケアマネジャーに対して入院や入所

の手続きを求めてくる病院や施設も少なくない。

さらには、年金に係る手続きなど介護保険とは直接関連の無い諸手続きの代行を

求められることも少なくない。

こういった代行手続きに対応する制度が全くないわけではないが、その制度を利用

するための手続きが必要となったり、費用負担を嫌煙して身近なケアマネジャーに

手続きを依頼するご利用者もいる。

 

こうした状況に加えて「マイナンバーカードの代行手続きもよろしく!」などと

言われると「ケアマネジャーは便利屋ではない。」の反論が出てくることも理解

できる。

日本の法制度上、業として代行手続きを行い対価を頂戴するためには、然るべき

国家資格が必要となる。弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士などなど。

 

これはあくまでも個人的な意見ではあるが、これだけケアマネジャーを便利使い

するのであれば、業として代行手続きを行い対価を頂戴することができるように

法制度を変更してはいかがかと思う。

リスクばかりを背負わされるケアマネジャーが不憫でならない。