昨晩、当方が運営するナーシングホーム(看護小規模多機能型居宅介護)のご利用
者が、同施設内でご家族に見守られながら永眠された。
心よりご冥福をお祈り申し上げたい。
そのご利用者は、ガン末期の状態で自宅療養を選択され、当方のナーシングホーム
で支援していた。そうした中でご本人もご家族も心が揺れ動いていらっしゃった
様子で、最期をどこで迎えることが最良なのかを考えているようだった。一度は、
「自宅へ戻って最期を」、「やはり医療機関へ行った方が」と考えていたことも
あったが、最終的には当方の施設で最期を迎えることを選択された。
これまで、ご自宅でお看取りを迎える方を支援することはあったが、当方の施設内
で最期を迎えた方は初めてであった。その間、ご家族や主治医と繰り返し話し合い
重ねてきたが、未だに最良の対応ができたかどうか、至らない点が多々あったの
ではないかと反省が尽きない。
この後、施設内で今回の対応についてスタッフ間で話し合いが行われる予定でおり
そして少し間をおいてから、ご家族とともに療養生活についての振り返りの話し
合いをしたいと考えている。
ご本人にとって、ご家族にとって、そして同施設をご利用されている他のご利用者
にとって、さらにはスタッフ関係者にとって最良の対応とは何か、またご利用者が
代わればその最良の対応内容も大きく異なることなど、考えなければならないこと
は無数にある。
それでも、ご家族から「満足です。」とのお声を頂戴したことは、我々にとって
何よりの救いだった。
当事者が、悔いなく過ごすことができるターミナルケアの実現は簡単なことでは
ない。ご本人、ご家族に寄り添いながら、繰り返し話し合いを重ねること以外の
近道はないように思う。