『岸田首相は18日、加藤厚生労働相らと首相官邸で新型コロナウイルスの感染症
法上の分類見直しについて協議し、今春を視野に現在の「2類相当」から「5類」
へ引き下げる方針を固めた。』との報道があった。
ここに来るまでずいぶんと時間を浪費したものである。あとは、土壇場で決定が
撤回されないことを祈るのみだ。
この件に関連して気になったことは、今回の報道を受けて話題となっている『室内
でのマスクの着用』で、あるアンケート調査によると「国が決めたルールに沿う」
あるいは「周囲の着用状況を見て判断する」と回答した方が半数以上いたという
内容のものである。
『「ルールを守り、周囲との協調性を重んじる」という点において、いかにも日本
人らしい素晴らしい国民性だ』という好意的なものの見方がある一方で、「自分で
考える」ということを放棄してしまっている人が多い国民性という見方もある。
自分達の意のままに国民を操り誘導したいと考えている国の中枢にいる人にとって
これほど都合の良い国民性はないだろう。これは、国の中枢にいる人達が長い年月
をかけて国民を洗脳してきた成果といえる。
たかがマスクを着用するか否かすら、自ら判断することを放棄させてしまっている
のだから。
そしてこの構図は、昨今霊感商法などで話題となっている悪徳新興宗教と全く同じ
手口である。悪徳新興宗教団体が信者に対してまず最初にやる重要な手続きは、
「信者の思考を停止させる」ことにある。信者が自分で善悪や道徳について考える
ことを放棄させて、教団の教えがすべて正しいと刷り込むのである。
その刷り込みが成功してしまえば、あとは教団が信者を意のままに操ることが可能
となる。
「国の言うことは全て正しい」と本気で信じている人はそう多くはないとは思うが
それでも多くの意思決定を国の基準にゆだねている国民は相当数いるだろう。
しかし結果として、多くの若者が「お国のため」という呪文で洗脳され戦地に送り
込まれ命を落とした歴史を忘れてはならない。
今でも、国民のためというよりは、国の中枢にいる人にとって都合の良いルールが
散見される。
この様なことを話題にすると誤解されてしまうこともあるので、一言と申し添える
と、私は「ルールなど守る必要はない」と言っているわけではない。一度決められ
たルールは、理由がどうであれ守らなければならない。
ただし、ルールの中には、管理する側の都合だけのために作られ、合理性もなけれ
ば国民にとって有益ではないものも数多くあるため、そういったルールは見直され
るべきだと申し上げたい。
そして決められたルールは必ずしも正しいものではなく、時代背景とともに変化を
必要とすることもあるということを踏まえて、「思考を停止させてはいけない」と
強く訴えたい。
マスクを着用するかどうか、自分で判断しようよ。