先日、同じ職場で一緒に働いたこともある方から「今月で退職します」との連絡を
受けた。その方は、長年痛めていた体がいよいよ限界に達してしまい仕事をやめて
療養に専念されるとのことだった。その他にも、長年同じ業界同じ地域で一緒に
働いた方々から「定年になり今年度いっぱいで仕事をやめる」との知らせを聞く。
何ともさみしい思いがこみ上げる。
職場は別でも、時に協力し合い、時に切磋琢磨しながら介護業界を何とか支えよう
と共に働いてきた仲間が仕事を離れて行ってしまうことは残念でならない。
今定年を迎える方々の多くは、介護保険制度が始まった23年前、皆が右も左も
わからず手探りで介護保険サービスに携わっていた。
今でこそ当たり前となったことも、その諸先輩方が作ってくださった道筋である
ことが多い。
23年前の当時、「モニタリングとかサービス担当者会議って、どうやってやる
の?」、「主治医との連携って、何すりゃいいの?」なんて会話が当たり前のよう
にあちこちで聞こえてきた。
今ほど洗練されてはおらず、ろくな手本や教本もなく、教える側にも必要な経験や
知識がないこともあって、手探りで実務を熟していたことを苦い思い出として今で
もよく覚えている。
そんな諸先輩方のご苦労のかいもあって、今のケアマネジメントが確立された。
いつかは訪れる現役引退の時に、どれだけのことを後輩たちに残してあげることが
できるのだろうかと考えると、「自分はまだまだだなぁ」と思ってしまう。
引退される先輩の皆さん、お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。