北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

高性能な公衆電話

2023.3.20

最近、介護保険制度における通所系サービスの今後の運営の在り方について、数多

くの経営セミナーや研修会が開催されている。

それは、厚生労働省が公表した『介護施設・事業所の経営状況を把握する調査』で

通所系サービスの収支が他の介護保険サービスと比較すると非常に悪い状況にある

ことや介護保険制度が改定されるたびに“逆風”と受け取れるような改正案が示され

るからである。

 

そして、そのセミナーや研修会の内容はというと、「事業所の集客力を上げるため

に他事業所との差別化を図る運営戦略が必要」だとか、「優秀な人材を確保する

ために会社の福利厚生や職場環境改善に向けた取組が必要」といったことが中心と

なっているようだ。

 

確かに、一度開設した事業所を存続させるための経営戦略としては重要な視点と

言えるかもしれないし、何も考えずに漫然と事業を継続していいはずもない。

ただ、抜本的な課題は、そこには無いような気がする。

 

先日、某ラジオ番組で「公衆電話の使用方法がわからない今どきの若者」と題し

て、公衆電話の今と昔が語られる内容があった。

同番組でも語られていたことだが、「災害時など、電波がつながらない緊急時には

公衆電話が活躍する場面はある」かもしれないが、一人一台携帯電話を持っている

昨今において、公衆電話を日常的に利用する人はほとんどいない。

そういった状況にあっては、どれだけ公衆電話の利便性を追求したとしても、時代

が必要としていない産物が重宝されることはほぼない。

結果として、全盛期にはコンビニエンスストアの店舗数よりも多かった設置台数を

維持する必要はなくなった。

 

通所系サービス(特に通所介護)は、介護保険制度開始当初は「介護の万能選手」

ともてはやされ、ご利用される方もマネジメントする方も大変重宝した。

その当時は、「とにかくデイサービスにつながっていれば安心」と考えるご家族や

ケアマネジャーは非常に多かったように思う。

しかし、介護保険制度が国民生活に定着し、介護サービスが洗練されるにつれて

細分化されたニーズに適した多種多様な介護保険サービスが後から生まれた。

そういった状況にあっては、どれだけ顧客やスタッフにとって魅力的なサービス

事業所を作ったとしても、時代によって以前ほどの必要性を感じさせない介護保険

サービスが重宝されることは少ない。

結果として、高齢者人口増を鑑みても、全盛期ほどのサービス事業所数を維持する

必要はなくなったとみることができる。

 

通所系サービス(特に通所介護)は、介護保険制度開始当初の一定の役割を終えた

と考えると、経営状況を含めた現状が理解できる。

冒頭の経営セミナーや研修会は、時代に反して『高性能な公衆電話を全国各地に

設置しよう!」と言っているように聞こえる。