北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

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時間は質を担保しない

2024.8.26

先月から『主任介護支援専門員更新研修』の受講を開始している。そして、先日

前半の日程が終了して後半のカリキュラムへ突入中である。

その前半の日程を終えた感想を一言で表すと「長い」である。

同研修のプログラムは、講義と演習を合わせ46時間の内容が組み込まれている。

しかしその内容はというと、画面上に映し出された講師のテキストをただ読み上げ

るだけの姿を見届けるものであったり、目的がよくわからない事例検討を2日間に

分けて10時間以上永遠と繰り返すというものだった。

 

以前にも取り上げた通り、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格は、高齢者

介護事業にかかわる資格の中で唯一更新制が導入されているが、5年毎に更新する

ことが義務付けられていることに疑問を持つ者が多い。

今回研修を受けた私としても内容もさることながら、所要時間数の多さに疑問を

持たざるを得ない。

一体何を根拠にこの所要時間数が算出されたのだろうか。

 

この国では、「量(時間数)は質を担保する」という考え方が根強く残っている。

それは、「こんなに時間をかけて取り組んだのだから」とか「夜遅くまで練習したの

だから」といったように、時間をかけたことが成功の根拠となってしまっている

場面によく出くわすからだ。

 

人間の体力も集中力も無限には続かない。勿論、こうした力の持続時間を延ばす

ためのトレーニングは大切ではあるが、それでも限界はある。

そして、限界を超えた後の時間は非効率的な無駄な時間となるため、質の担保など

になるはずもない。

にもかかわらず、内容に合わせた必要な時間数ではなく、時間数があらかじめ決め

て、その時間数に合わせて内容を考えるということがまかり通っている。

これが、我が国の生産性の低さの実態でもある。

 

「さしてやることはないけど、勤務時間が決められているから、終業時間までなん

とか時間つぶしをしなければならない」なんてことが珍しくないのが我が国の特徴

でもある。

 

それから、生産性が低い人の思考にはもう一つ特徴がある。

それは、「何かと物事を複雑にする」ことである。

物事が複雑であればあるほど、充実感や達成感を持つ人がいる。しかし、その実情

は「誰にも理解されない、利用されない」無駄なものを無駄な時間を浪費して作っ

ているだけに過ぎない。

法制度を複雑なものに作り上げようとする官僚が最たる例であろう。彼らは、一般

には中々理解されないよう複雑に制度や文言を作り上げることにある種の喜びを

感じているのではないかと思うが、複雑化することには何の意味も持たないどころ

か時間の無駄でしかない。いつしか彼らの存在そのものが「無駄」という烙印を

押される日が来るのではないかと思っている。

 

複雑な機器を世界中の誰でもが簡単に操作できるような機器へと作り上げたビル・

ゲイツ氏やスティーブ・ジョブズ氏が我が国から生まれるとは到底思えない。

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