7月から『主任介護支援専門員更新研修』の受講を開始している。そして、先日
全ての日程が終了して無事に資格を更新することができた。
それにしてもこの研修・・、お世辞にも素晴らしいとはいいがたい内容だった。
その内容は、講師がテキストを読み上げるだけのe-ラーニングを計24時間聞き、
Zoomによる受講者任せの事例検討が計21時間といったものだった。
膨大な時間と決して安くはない受講料を浪費するだけの中身のない研修が延々と
垂れ流されており、特段真新しい情報も学びもなく、ちょっと馬鹿にされている
感覚を持った。この程度の内容なら、自前で十分に実践できている。
以前にも取り上げた通り、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格は、高齢者
介護事業にかかわる資格の中で唯一更新制が導入されており、5年毎に更新する
ことが義務付けられている。
しかし、この研修を受けて改めて思ったが、介護支援専門員(ケアマネジャー)の
資格が高齢者介護事業にかかわる資格の中で唯一更新制が義務付けられている理由
が全く見当たらない。
もはや、研修というよりも『拷問』といった方が近い状況にあるかもしれない。
実際、「こんな研修を受けなければ更新できないのなら資格を更新せず別の道を歩ん
だ方がいい」といって資格を更新しない人が続出している。
かくいう私も次回の更新研修受講の意義を見失っている。
この研修は、官僚や一部の人の利権利得のためだけに存在していると言わざるを
得ない。
また、今回の研修テーマの一つに『主任介護支援専門員の地域とのかかわり』が
あり、テキストには厚生労働省が作成した「地域とのかかわり方」に関する指南書
とも思える内容がつらつらと書き綴られていて、講師がその内容をなぞる様に読み
上げていた。
これまでに、私的に限らず公的に位置付けられているサービスの中で、その始まり
が行政の作る指南書から出発したサービスなどあっただろうか。いやないだろう。
どのサービスも決まって、目の前のニーズに応えることから始まっている。そして
そのサービスが一定のコミュニティで享受する価値があると認められて初めて、
公的サービスとして位置づけられるのである。
つまり、社会福祉活動や支援にかかるサービスは、指南書などから出発すること
など無く、まして行政が作成した内容から出発することなど無いに等しい。
日本全国には、地域のニーズに寄り添い、必要な支援を自ら生み出している諸先輩
や同士が大勢いる。そういった方々の実践事例こそが「地域とのかかわり方」に
関する教科書となるべきであり、そういった方々が講師となるべきである。
行政が作る指南書とただそれを読み上げるだけの人など何の役にも立たないばかり
か、財源と時間の無駄遣いだろう。
昨今、介護にかかわる人材不足が深刻を極めている。こんな戯言に付き合っている
余裕などない。この程度の内容しか作れないのであれば、介護支援専門員資格の
更新制はやめた方がいい。
そして、介護支援専門員を馬鹿扱いしている厚生労働省の職員こそ「更新制」に
してみてはどうだろうか。