北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

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みのりの丘代表ブログ

身の丈に合った品質の社会保障に戻す

2024.10.24

今月に実施された今年度の『介護支援専門員実務研修受講試験』の受験者数が、

全国で5万3718人と昨年度より2776人少なく、5年ぶりの減少となった

そうである。

 

人口減少そして生産年齢人口が減少し続けているのだから受験者数が減ったとして

もさして驚くことではないが、高齢者の人口はしばらくは増え続けることを考える

と人材不足がより深刻を極めることが見て取れる。

 

こうした人材不足を解消しようと「生産性の向上」や「賃金の底上げ」などの取組

が行われているところであるが、いずれの取組も決め手になっていないどころか、

ピントがズレていて、取り組みを「やればやるほどに人手とお金がかかっている」

状況にある。

 

また、他の業種から移行する人材の獲得や外国人労働者の活用なども同時に取組と

して実施しているところであるが、他の業種業界だって同様の取組を必死に行って

いるのだからこの業界だけ人材が充足するなどと言うことはなく、例え優秀であっ

ても外国人の活用にも限界がある。

 

さらには、介護支援専門員の数を減らす最悪の政策が「資格の更新制」である。

以前に当ブログで触れた、資格を更新するために受講することが必須となっている

研修は、膨大な時間と決して安くはない受講料を浪費するだけの中身のない、拷問

に近い状況にある。

そして、「こんな研修を受けなければ更新できないのなら資格を更新せず別の道を

歩んだ方がいい」といって資格を更新しない人が続出している。

にもかかわらず頑なに「資格の更新制」を唱え続けているのは、官僚や一部の人の

利権利得のためだけに存在していると言わざるを得ない。

 

国が掲げる「特に介護支援専門員」に対する政策は裏目裏目となっている。

このまま進むと、「深刻」という言葉では済まされないほど重篤な介護難民の急増が

待っている。

政策そのものを転換するタイミングが待ったなしで迫ってきている。

 

当ブログで繰り返し訴えていることではあるが、今後の我が国の社会保障制度は

「身の丈に合った品質の社会保障に戻す」ことが求められていると思う。

そして、社会保障制度の元来の目的である貧困対策を主軸として、出来る範囲内の

所得保障や生活保障の実現へ考え方を改める必要がある。

そのためには、行き過ぎた社会保障サービスを終了すると同時に、元来我が国の

強みであった家族や地域の相互扶助機能の再構築を図ることが重要であろう。

 

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