全国介護事業者連盟が、ケアマネジメントのあり方に関する要望書を厚生労働省に
提出したらしいが、その提言って本当に現場ケアマネジャーの要望と合致している
のだろうか。
その提言とは、『ケアマネジャーの処遇改善と法定研修の抜本的な見直し』について
であるが、法定研修の更新制度・更新研修の見直しについては、「ケアマネジャーが
更新研修で研鑽を高めることは重要だが、人材確保の弊害となっている側面も否め
ない。更新期間の5年間を柔軟に使い、オンデマンドのオンライン研修をそれぞれ
のペースで受けていける仕組みに変えるべきだ。」と言っている。
全国介護事業者連盟は、現行の更新研修がどのように実施されているのか知らない
らしい。以前に当ブログでお伝えした通り、数か月前に私が受講した更新研修の
内容は、講師がテキストを読み上げるだけのe-ラーニングを計24時間聞き、
Zoomによる受講者任せの事例検討が計21時間といったものだった。
同連盟は、「オンライン研修をそれぞれのペースで受けていける仕組み」と、まるで
新しい取り組みであるのように提言しているが、現行の更新研修をただ単に5年間
かけて受講すると言っているにすぎず、この研修内容の是非については一切触れて
いない。ましてや、この程度の内容の研修を5年間もかけて受講するなどまっぴら
ごめんだ。
さらに言えば、資格更新制そのものに疑問を持っているケアマネジャーが多くいる
にもかかわらず、同連盟は「資格取得後の経過年数や更新研修の受講回数といった
キャリアも考慮すること、重複している研修内容を整理して時間数を減らす」など
と言って、資格更新制の是非には全く触れていない。
また、「私たちはケアマネジャーの味方です」と言わんばかりに、居宅介護支援の
介護報酬に処遇改善加算の導入を要請しているようだが、加算を増やして報酬体系
を細分化することは、現場ケアマネジャーや事務担当者の負担を増大させるだけで
何のメリットもない。ストレートに「居宅介護支援の介護報酬の増額を望む」と
言えばよいものを、手続きを複雑化したうえに手間を増やそうとする官僚的発想
にはウンザリさせられる。
同連盟には、「ケアマネジャーの代弁者面をして、頓珍漢な提言をすることは勘弁
してほしい」と伝えたい。