北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

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みのりの丘代表ブログ

ブルシット・ジョブ

2025.4.2

日本中、どの業界からも「人手不足」の声が聞こえてくる。

かく言う私も当ブログで繰り返し、介護業界の人手不足を話題にしている。

でも本当にそうなのだろうか。

 

皆さんは”ブルシット・ジョブ”という言葉を聞いたことがあるだろうか。

ブルシットは、直訳すると「牛の糞」であるがそこから転じて「無意味な」とか

「馬鹿馬鹿しい」などの意味で使われる俗語で、アメリカのドラマや映画で俳優が

よくこの言葉を使っているシーンを見かける。

ブルシット・ジョブとは、米国の人類学者デヴィッド・グレーバー教授が提唱した

概念で、「完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態、その仕事」

を指していて、「どうでもいい仕事」と表現する人もいる。

 

具体的には下位に挙げるような仕事と説明している。

・誰かを偉そうにみせたり、気分を味わわせるためだけに存在しているアテンドなどの仕事

・実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している調査管理などの仕事

・組織のなかの存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している苦情処理などの仕事

・他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブを作り出す仲介などの仕事

 

こうした例を目にして思い出すことは、

テレビドラマで米倉涼子さん扮するフリーランスのスーパードクターが病院と契約

する際によく使うセリフである「いたしません」の内容だ。

その中には「論文の下調べ、学会のお供、ゴルフの送り迎え、愛人の隠蔽工作、出

世の手伝い、権力争いへの加担」などが綴られている。

まさにブルシット・ジョブである。

 

また、当ブログで繰り返し話題にしている無駄な書類や手続きを生み出しては我々

事業者へ遵守するよう強要する官僚などは、ブルシット・ジョブを作り出す天才と

いえるのではないだろうか。誰の目にも触れず、ただファイルに閉じられるだけの

書類を永遠と作成することなど無駄以外の何物でもない。

 

さらに言えば、昨今話題となっている女性アナウンサーの存在についても、通常の

報道内容をアナウンスする仕事は必要だと思うが、番組司会者の隣でただニコニコ

しているだけの存在ってどういう役割があるというのだろうか。(女性アナウンサー

に限ったことではないが、そのようにパターン化されているようにも見える)

それはまるで、子どもの頃よく見かけた「エレベーターガール」みたいなものだ。

 

さらにさらに言えば、私が忌み嫌う「人材紹介・派遣」の存在価値って何なのだろ

うか。ただ人材を右から左に移しているだけで、企業も就労者も幸せになっている

とはとても思えない。デヴィッド・グレーバー教授のいう「他人に仕事を割り当て

るためだけに存在し、ブルシット・ジョブを作り出す仲介などの仕事」とはまさに

このことを指しているのではないかと思う。

 

「こういった無意味な仕事に大切な人員を割くことをやめてしまえば、人材不足な

どという言葉は消えてなくなるだろうに、生産性の向上はどこへやら」と思ったり

する。

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