前回ブログでお米の値段高騰を話題とした際に、「でも、あの大臣じゃ・・・」と
言っていたら次の日に辞任して新しい大臣に変わっていた。(やれやれ)
この様な事態が起きた時によく聞く言葉は「任命責任を問う」であるが、何でも
かんでも「任命責任」って、私には違和感しかない。
任命権者は、一般企業でいうところの人事権者を指すわけだが、人事権を持つ者は
誰を採用してどこのポジションに配置をするのかを決める。この権限は非常に強い
ので、権限に見合う責任も同時に負うことになる。
だからと言って、ウケを狙った言葉で周りの反感を買ったとか、不倫したといった
理由で辞任することにまで決定権者が責任を負わされる必要があるのだろうか。
そもそも、任命責任と監督責任がごちゃ混ぜで扱われているのではなかろうか。
例えば、業務中に飲酒運転をして事故を起こしたケースで考えてみる。
面接時、過去に飲酒運転をしたことがあるとか、アルコール依存で治療中といった
事実を予め知っていながら、ドライバーとして採用して十分に注意を払わず事故が
起きてしまったのだとすると任命責任も監督責任も問われることになるだろう。
ただし、面接を受ける人が虚偽の申告をしていれば、採用担当者はその事実を知る
術はほぼない。
また、運転前にアルコール検知器によるチェックを義務づけ、ドライブレコーダー
を搭載し、安全運転講習を定期的開催していたとしても、隠れて飲酒して運転して
いたとすると職場としてはなす術がない。
無論、どのような背景があったとしても、業務中に起きた事故に対して会社が無関
係を主張することはあり得ない。ただし、個人の責任によるところまで全てを会社
や人事、監督者に責任を負わせることもまたあり得ないのではないだろうか。
それが、不倫とかプライベートで起きた事柄であればなおさらだ。
会社で権限を持つ者が、そんなプライベートなことにまで踏み込めば、今度はハラ
スメントで訴えられてしまうことだってある。
やっぱり、何でもかんでも「任命責任」って、私には違和感しかない。