北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

労働の対価を直接頂戴する重要性

2025.6.9

飲食業を営んでいてつくづく思ったことは、「お客様からお金を頂戴してサービスや

商品を提供することってなんて難しいことなんだろう」ということである。

 

店舗の衛生管理は当然のこととして、顧客のニーズを把握した上での商品開発から

提供マナー、収支を考えながらの適正価格の設定など、通常業務の延長線上で常に

思考し、学びながら営業を続けていかなければならない。

顧客のニーズを度返しすることはもってのほかだが、顧客の言うがままであっても

上手くはいかない。そこが何より難しい。

 

ケアマネジャーも居宅介護支援費の自己負担金の導入をきっかけにして、ご利用者

からお金を頂戴してサービス提供することがいかなるものかを考えてみても良いの

ではなかと思う。(とは言っても全額負担してもらう訳ではないので飲食店のそれと

は天と地ほどの差はあるが)

そうすると、自分達は今まで無料であることに胡坐をかいて、如何にご利用者の

ニーズに応える努力や提供マナーの研鑽を怠ってきたのかに気が付くだろう。

 

「御用聞きケアマネジャー」と呼ばれる人の多くのように、定期の訪問以外はほと

んど自分のデスクにどっかりと座り、パソコンとにらめっこしているか電話でやり

取りしかしないような仕事であれば、ファストフード店の学生アルバイトで十分に

ことが足りる。それどころか、学生アルバイトであっても接遇マナー教育は十分に

受けているので、ケアマネジャーよりも優れている面もあるかもしれない。

 

それから、集金するなり振込手続きをするなりで、自分の前をお金が通ることを目

の当たりにすることで、麻痺していた自分の仕事にかかわるお金の重要性に気が付

くきっかけにもなるのではないだろう。

公務員の中には、こうした感覚が欠落しているから平気で無駄遣いができる人もい

たりする。

 

たしかに集金は手間がかかる。

しかし、居宅介護支援以外の介護保険サービス事業者もご利用者やご家族も日々

当たり前のこととして行っている経済活動や行為を「面倒だ」の一言で片づけて

その行為を拒むような人たちが、生活者を支援する専門家としてふさわしいのか

はなはだ疑問である。まるで、米は買うものではなく貰う物だと宣う人に農林水産

大臣を任せるようなものだ。

多くの生活者が当たり前のこととしている行為を理解できない(しようとしない)

人が生活者の支援など真面にできるはずもない。

 

さらには、居宅介護支援費の自己負担金導入を猛反発している人達は、自己負担が

無くても保険料や税金という形で間接的に支払っている人達がいることや自事業所

の財務や経理が日々行われていることを理解していないのではないだろうか。

目の前のお金のことを日頃から考えてもいない者が報酬引き上げだの処遇改善だの

と訴えるなんてチャンチャラおかしい。

 

「ご利用者からお金を頂戴してサービスを提供することってなんて難しいことなん

だろう」という前提があるから、支援者として専門家としての感覚が研ぎ澄まされ

るのではないかと思う。

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