3年に一度、見直しされる介護保険制度の改定を1年半後に控えて、各部会等で
改定内容について審議が行われている。
毎度この審議に話題にあがっていると言っても過言ではない内容に「ケアプランに
介護保険適応の福祉用具貸与のみしか位置付けられていない場合は、介護給付管理
請求を認めるべきではない」という内容がある。
要するに、ヘルパーやデイサービス、ショートステイなどの介護保険サービスを
一切利用せずに福祉用具のレンタルだけを利用している状況を正規のケアプラン
とは認められないと言いたいわけだ。
この手の話題は、介護給付費を少しでも抑制したいと考える財務省が震源地となる
わけだが、この主張は流石に無理筋だろうと思っていた。
ところが、前回(2024年度)の介護保険制度改定で一部の品目に限定された
ものの、『福祉用具を貸与で使うか、販売で使うかを利用者が選べる選択制』が導入
された。これは上記で述べた流れの布石と捉えて間違いないだろう。
介護給付費を少しでも抑制したいとの考えからこうした流れができあがること自体
は理解できないわけではないが、「ケアプランに介護保険適応の福祉用具貸与のみ
しか位置付けられていない場合は、介護給付管理請求を認めるべきではない」との
考えは同意しかねる。
介護保険適応の福祉用具貸与しか利用していない方の多くは、理由があってヘルパ
ーやデイサービス、ショートステイなどの介護保険サービスを利用していないだけ
ということがほとんどだ。
たとえば、一般的にはヘルパーの支援が必要と考えられるケースであっても、ご家
族や知人による介護力が充実していて外部の人の支援を受けなくても済んでいると
いう場合がある。
また、一般的にはデイサービスの支援が必要と考えられるケースであっても、地域
にあるインフォーマルな社会資源でニーズが充足しているため、介護保険サービス
を利用しなくても済んでいるという場合もある。
さらには、自身やご家族の創意工夫によって、完ぺきとはいかないまでも介護保険
サービスを利用しなくてもある程度ニーズが解決しているという場合だってある。
本気で介護給付費を抑制したいと考えるなら、”福祉用具貸与のみケアプラン”にケチ
をつけるのではなく、前述たとえで出した状況をより強化していくことに尽力した
方が良いと考えるのだが、財務省にそんな頭はないし、厚生労働省は未だに無理筋
の”地域包括ケアシステム”一本やりなのでどうにもならない。
そもそも、ヘルパーやデイサービス、ショートステイなどの介護保険サービスを
利用している状況を正規のケアプランと強く主張すると、多くのケアマネジャーは
そういったサービスを調整することが自分の役割であり正義であると勘違いして
しまう恐れがある。
そうすると、とにかく介護保険サービスの調整が最優先されてしまい、結果として
介護給付費がさらに膨らむことになる。全く持って悪循環だ。
話しを戻して、「ケアプランに介護保険適応の福祉用具貸与のみしか位置付けられて
いない場合は、介護給付管理請求を認めるべきではない」との考えは同意できない
と申し上げたが、”介護保険適応の福祉用具貸与”自体については思うところがある。
少し長くなったので続きは次回に持ち越すこととする。
