今月7日に石破内閣総理大臣が自由民主党の総裁を辞任すると表明したことを受け
て、ここ数日は「次期総裁はだれになるのか」が専ら話題となっている。
個人的には、総裁の顔が変わったとて情勢が大きく変わるものではないと考えてい
るが、せめて”政治と金”の問題についてはクリーンにしてもらいたいと願う。
この数か月間、「石破首相はやめるべきだ」との声が国内で広がっていたわけだが、
その根拠を導き出すためにマスメディアがよく用いる手法に”アンケート調査”が
ある。例えば、「現首相は辞任すべきか」という問いにYES、NOで答えてもらうと
いった調査が行われ、YESとの回答が全体の何%あったと報道する。
ここで示された結果(数字)に偽りはないのだが、調査方法を変えることによって
この数字を変化させることはできてしまう。つまり、質問者が意図的に調査方法を
設定することで、その人が望む結果を導き出すことが可能ということである。
例えば、回答者の年齢や性別、地域性によって前述の%は大きく変わることがあり
そのことを利用して調査を行えば、自ずと望む結果を導き出すことができる。
また、質問の形式をYES、NO等の選択制ではなく、フリー回答が可能な記述式に
変更した場合にも前述の%が大きく変わる可能性が非常に高い。
実はこれって、カウンセリング等の場面で用いられる”質問技法”という歴とした
技術として確立している。所謂、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
の使い分けというあれだ。
そして、私たち相談援助技術者が日常的に使っている技術でもある。
ご利用者と面談している場面で、我々がご利用者に対して「最近変わったことは
ありませんか」と問いかけると、ほとんどの場面で「特にありません」という回答
が得られる。そうするとそこで話が終わってしまい、特に問題はないという結論が
導き出されてしまう。
しかし、「痛めていた膝の具合はいかがですか」と具体的に問いかけを行うと、
「少しずつ痛みが治まってきている」とか「また痛みが出てきた」といった回答が
得られ、そこから日常生活上の困りごとへと話題をひろげることができる。
こうした技法は正しく理解して正しく活用されると意義は大きくあるのだが、意図
的にそして偏った思考に基づいて活用されると悪意にも満ちた結果を導き出すこと
にもつながってしまう。
マスメディアがよく用いる”アンケート調査”には、そういった要素が多く含まれて
いるように思えてならないので、調査方法が明確に示されていないこの手の結果は
鵜吞みにしないことにしている。
