北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

全く持ってアンバランス

2025.10.7

先月、大阪市内の特別養護老人ホームで高温の湯を張った浴槽に入居者男性を入れ

て死亡させたとして同ホームの介護福祉士が傷害致死容疑で逮捕されたとの報道が

あった。

 

事件当時、同容疑者は1人で男性の介助をしていたらしく、同容疑者は現場の施設

の正規職員ではなく、空き時間を使って単発で働けるスポットワークのサービスを

利用していて、事件当日がこの施設の2回目の勤務だったそうだ。

 

入居者の男性には半身まひがあり、入浴時は専用の椅子に座り、ベルトで体を固定

したまま椅子ごと浴槽に入る方法を取っていたため、自ら浴槽から脱出することは

ほぼ不可能であったことが予想される。

また、現場の浴槽は手動で蛇口をひねり給水する仕組みで、一定の温度を超えない

ようにストッパーが備えられていたが、同容疑者の供述等から大阪府警は同容疑者

が故意に高温に設定したと判断したようだ。

 

決してあってはならないこのような事件を耳にする機会が、ここのところ増えて

きているような気がする。

勿論、同様の事件が過去にほとんどなかったわけではないのだが、昨今の人材不足

が大きく影響しているように思えてならない。

 

当方が運営する事業所では、ストレッチャーに固定された状態で特殊浴槽に入る

介助を行う場合には必ず2人のスタッフで行うことになっており、そのうち1人は

体調急変時に備えて看護師を配置することとしている。

こうした状況から考えても、勤務2回目のスポットワークのスタッフ1人に同様の

介助を行わせていたことは、施設側が無謀であったとしかいいようがない。

 

しかし一方で通所サービスでは、自宅で入浴できていて一人で体を洗うことができ

る軽度の要援護者にも介護スタッフが対応しているという状況もある。

より専門性の高い介助を必要としている人へ多くの専門職を配置したいところでは

あるが人材不足の状況にあって、こうしたことが当たり前に行われているようでは

今回のような事件が今後も起こりうると予想される。

 

更には今回の事件から、日頃から忌み嫌っている人材紹介やスポットワークを経由

して勤務する人材は信用できないとあらためて思った。所属意識が希薄だと責任感

が自然と薄れていくように思える。そんな人材に人の生活や生命を預ける仕事を

任せるなど私には到底理解できない。

 

この様な質の低いスタッフしか雇用できていないのは、地域事情を含めて様々で

あるが、その最大の原因は軽度要援護者(要介護1、2)への訪問介護と通所介護

サービスを市町村が運営する地域支援事業に移すことへ反対しているアンポンタン

が介護保険制度改定の大切な話し合いの場に我々の代表として出席しているから

ではないのだろうか。

 

このアンポンタン達は、限られた人数しかいない専門職を軽度要援護者の対応に

多く配置することを助長した結果、こういった痛ましい事件の発生に間接的ながら

関与しているという自覚はあるのだろうか。

一人で入浴できる人に対して、公的社会保険サービスは必要ないし、専門職を配置

する必要など全くない。

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