厚生労働省は、先月末に開催された社会保障審議会で、介護施設や通所介護などの
「人員基準欠如減算」を見直す方針を出した。
今回示された方針では、現行では人員基準上必要とされる介護や看護が1割の範囲
内で足りない状況が歴月1カ月発生した場合に3割の減算請求が科せられる内容を
1年に1回に限って、3カ月間に猶予期間を延長するというものだ。
この減算が適応されてしまうと、常時3割引きの出血大サービスセールで事業を
運営しなければならなくなり、事業者はたちどころに運営の継続が難しくなる。
それではかなわないとし、超高額であることを承知の上で人材紹介・派遣サービス
を利用することになってしまう。
この措置は、深刻化する介護人材の不足を手当てできない現状や横行する人材紹介
派遣のやりたい放題に歯止めをかけることが大きな目的となっている。
その点においては、今回の方針は大いに評価できる内容と言えるだろう。
しかし一方で、1年の四分の一は要件を満たしていなくても問題としない人員基準
って、法的基準として成立しているのだろうかという疑問がわく。
もはや、法的人員基準を満たして介護事業を運営すること自体が困難な状況にある
ことを国もいい加減認めなければならないのではないだろうか。
そもそも、現行の人員基準は明確な根拠があって定められた内容ではない。それに
同じ種別の介護保険サービスであっても、人員基準を満たしていなくても十分に
事業運営が可能な事業者もあれば、人員を満たしていても現場の業務が回らない
事業者もあり、その差はとてつもなく大きい。
その差は、事業者のケアにかかるプログラムや体制によって生まれることは無論
あるのだが、それ以上にご利用者の多くが軽度要援護者か重度要援護者かによって
生まれることの方がはるかに大きい。
つまり、同じ種別という括りだけで人員基準を設定すること自体に無理がある。
自論では、軽度要援護者への支援は公的社会保険サービスから外すべきだと訴えて
きたが、もしも実現できなかったとするならば、せめて基準上必要とする人員の数
は大幅に減らすべきであろうと思う。
そうすることで、重度要援護者への支援体制がより充実するはずだ。
要介護度の重いご利用者への日常生活上の支援を中心に行っている事業者と麻雀
デイサービスなどに代表されるような軽度要援護者の趣味活動支援を中心に行って
いる事業者の人員基準が同じとは何をどう考えてもおかしいだろう。
